ウツギの日々趣味日記

ゲーム・アニメ・音楽・読書など。趣味のことをつらつらと。

(※ネタバレ有)好きなウマ娘のURA育成シナリオを真面目に紹介する/ダイワスカーレット・キングヘイロー・トーセンジョーダン

競走馬をモチーフにした「ウマ娘プリティーダービー」がサービスを開始し、1年以上が経過しました。競馬史動画がきっかけでウマ娘を知り(ふつう順序が逆では?)、アニメ1期でハマってからもうそんなに経つのかと思うとなんだか感慨深いものがあります。

競馬の事は記事にするようになったものの、ウマ娘の方はどんな風に思っているか記事にした事がないなーとふと思い、好きなシナリオのレビュー的なものを実験的に書いてみることにしました。どうぞー。

 

ダイワスカーレット

史実では有馬記念が好きなのでずっと逃げ育成をしている。ウオッカを意識しながら、自分の思い描く理想のウマ娘を求め努力する姿が眩しい。ひたむきに、時に不器用に躓きながらも、レースも生活態度も学業も1番のウマ娘を目指す・・・。どうも私はこういう努力家キャラに弱い。

このシナリオで最も魅力的なのは、ウオッカとのライバル関係や、史実と絡めたシナリオ展開だろう。特に、ダービー・オークスのどちらに出るか選べるのが良い。史実では、ダイワスカーレット感冒によりオークスを回避しており、ダービーもオークスも史実からすればif展開だ。

それをどちらと決めつけず、「ウオッカを追いかけてダービーに行く」スカーレット、「史実で果たせなかった牝馬三冠の夢を追う」スカーレット、どちらの夢を追うかプレイヤーが選べるというのが本当に良い。

そして、このライバル関係が一つの着地点を見せるシニア級有馬記念前のイベントが好きだ。シナリオではウオッカは海外に行く事になり、有馬記念を回避する事になるのだが、ウオッカとのライバル関係にこだわりすぎているスカーレットに、ウオッカが目標を問い直す台詞が本当に好きだ。

ウオッカのこの一言によりダイワスカーレットは「1番のウマ娘になる」という原点に立ち返ることができた。ただ競い合うだけでなく、お互いを理解し高め合える関係。このシナリオのウオッカは最高のライバルキャラだと思う。

また、トレーナーとのイチャイチャもこのシナリオの魅力だ。特にバレンタインデーイベントで、今日がバレンタインデーだと気付く場面から、普通に渡すのではなくコーヒーと一緒に勧めてくるまでの流れが最高にかわいい。

キングヘイロー

ウマ娘屈指の名シナリオであることは多くが認めるところであろう。私はこういう苦闘の末に自分のスタイルを手に入れる系のシナリオが大好物である。刺さりまくりである。

もともと、JRAのCM「The WINNER」シリーズで名前だけ知っていた馬で(*1)、競馬史動画で大写しにされたメンコと「絶対に首を下げなかった」の意味を知ってから大好きになった馬だったので、尚更このシナリオは刺さった。

史実では、父母ともに超絶実績を誇る超良血で、自身も中長距離での活躍を期待されていたキングヘイロー。しかしクラシック戦線ではいずれの距離も好走をするものの勝ちきれず、2000年に高松宮記念を勝つまで苦しい道を歩む事になった。

本シナリオはそんなキングヘイロー陣営の苦闘を、ウマ娘ならではのキャラクター性を交えながらドラマチックに表現する。母親と比較され、自らもその期待に応えようと邁進

し、それでも掴めなかった栄光。その苦しみの先に「御令嬢」としてでなく「キングヘイロー」自身ととしての道を見い出すシナリオは必見だ。

同世代との友情も熱い。スペシャルウィークセイウンスカイ・・・。もしこの2頭がいなければ、三冠いずれかを獲得していたかもしれない。しかしこの2頭がいなければ、こんなドラマも生まれなかったのだ。そう思わせてくれるシナリオだった。個人的には、天皇賞・秋後がお気に入りである。

初期から容易に入手が可能なキャラクターということもあり、サポートカードや継承元のウマ娘が十分に揃っていない中で育成するプレイヤーも多い事だろう。試行錯誤の段階でこのシナリオをプレイすると、まさにキングヘイローの苦闘を追体験しているような気分になる。そういったシステムの後押しもこのシナリオの良さを引き立てている、と私は思う。もちろん、3冠をもぎ取った後にその実績をかなぐり捨てるのもアリだ。

ほか、キングヘイローは他シナリオでの活躍も熱い。個人的には、セイウンスカイカワカミプリンセスの育成シナリオは是非見て欲しい。シナリオによってブレのあるウマ娘の多い中、他シナリオでここまでキャラ造形が一貫しているキャラクターも珍しい。

トーセンジョーダン

たった一勝で多くの人々の脳裏に残り続ける・・・。そういう話が大好きなのだが、まさかそれがギャルに化けるとは思わなかった。蹄のリスクを抱えながら走り続け、叩き出した天皇賞・秋レコード。その軌跡を、ウマ娘の育成シナリオでは爪に惑わされながらレースを諦めきれない、不器用な少女の奮闘として描く。

日々の丹念な爪のケアや頑張りを気付いてもらえず、理解される事を諦めてしまいそうになる、その不器用さゆえに不真面目と誤解されてしまいがちな言動にはリアリティもあり、キャラストーリーの最初から引き込まれた。

この子の頑張りを皆に気付いてほしい。絶対に勝たせてやりたい。ウマ娘のストーリーはそう思わせてくれるものが非常に多いが、彼女は特にそう思わせてくれるストーリーだった。

育成シナリオでも彼女の不器用なキャラクター性は一貫していて、つい育成にも熱が籠る。史実の天皇賞秋の勝利を達成した時の彼女の無邪気な喜びっぷりには思わずほころんだ(とはいえ、スキル的にかなり楽に勝てるのだが)。

天皇賞秋だけではない。クラシック三冠、天皇賞春、大阪杯有馬記念ウマ娘の世界ではあらゆるレースでトーセンジョーダンを勝たせてあげることができる。「ギャルか」と思った人にほど、彼女のシナリオはおすすめしたい。

 

(2022.08.12 誤字訂正しました。アニメ見始めたの2期じゃないわ1期からだわ)

*1:競馬史動画を通して競馬を知る以前に知っていた競走馬はCMでたまたま見たキングヘイローライスシャワーだけで、「オグリキャップ何それ?ディープインパクトオルフェーヴルも知らない」という状態だった。競馬を知っている今からすればなんでその二頭しか覚えなかったんだ!?と思うが、それくらいあの2つのCMは格好良かった。JRAはあのCMシリーズの効果をもっと重く見るべきだと思う。競馬知らない時もかっこいいと思ったよ、あのシリーズは。