ウツギの日々趣味日記

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今日の読書 #20 「世界の英語・私の英語 多文化共生社会をめざして(桐原書店)」

今日の読書は「世界の英語・私の英語 多文化共生社会をめざして」。世界諸英語に関する本です。

 

世界にはイギリスやアメリカ以外にも英語を使う人々が沢山います。最近では国際的な場での共通語ともなっており、各国の人々が集まるイベントでは、色々な発音・言い回しが入り乱れます。そんな時、「その英語は分からないから分かるように話してよ」という態度で接するのではなく、相手の英語を理解しようとする姿勢がとても大切だと思います。

本書ではそんな様々な地域で実際に使われている英語を紹介。地域に定着する過程で文法・発音の変化など言語の変化や広がりを紹介する事を通して、『日本人も「ネイティブ英語」に囚われず英語を話そう』という主張をしています。文化に即した表現がこんなに色々あるんだというのが発見で、興味深く読みました。

特に面白かったのが中国英語の「面子」に関する表現で、英文で目にすると違和感を覚える「save face」などの表現が当たり前のように使われている事実に驚きました。公用語として使われているインドではなんと文法までアレンジされています。読了後に本を片手にインターネットで検索してみたら、諸地域の英語表現に関する解説ページを発見して更に驚きました。

いくつか残念な点を挙げるとすれば、「世界」といいつつも具体例がアジア圏の英語に偏っていて、イギリス英語やアメリカ英語の方言、カナダ英語、アフリカ英語など他の気になる英語については項が設けられていないということ。あくまで『日本人も「ネイティブ英語」に囚われず英語を話そう』という主張の論拠として挙げられている内容で、様々な国・地域の方と英語でコミュニケーションを取る方の参考書としては十分ではないです。

また、むりやり日本英語を作ろうとして色々な案を提示している部分については賛同できませんでした。個人的には、ちょっと惜しい内容の本です。

とはいえ、あまり見かけない題材を扱った本なので、機会があればぜひ手に取って欲しいです。語学の本として面白いだけでなく、言語学習に対する意識が変わる一冊。

 

世界の英語・私の英語 多文化共生社会をめざして

世界の英語・私の英語 多文化共生社会をめざして

 

 

 

(2019.12.18 自分の考えがいまいち伝わらない文だと感じたので、文を追加しました。)