- 富雄丸山古墳から日本最大の蛇行剣・前例のない銅鏡が出⼟! - 奈良市ホームページ
- 富雄丸山古墳の発掘調査 第6次調査 - 全国遺跡報告総覧 ※今回の発掘内容
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国宝級発見が一挙に2つ 精緻な文様の「盾形銅鏡」・最大級2.37mの「蛇行剣」ともに日本最大の円形古墳「富雄丸山古墳」から見つかる【関西テレビ・報道ランナー】 - YouTube
考古学の大ニュース!1月25日、日本最大の円墳である富雄丸山古墳から、⻑さ2mを超えるの巨大な剣と、盾を模した銅鏡が発掘された事が発表されました!!!!その名も「蛇行剣」「鼉⿓(だりゅう)⽂盾形銅鏡」!!え、なにその中二心をくすぐる名前と発掘場所!!!
- 富雄丸山古墳発掘調査報告書1 - 全国遺跡報告総覧(第一次から第五次までの詳細。出土内容の詳細図や写真もあります)
- 富雄丸山古墳の調査 第1~3次 - 全国遺跡報告総覧(概要)
- 富雄丸山古墳の発掘調査 - 全国遺跡報告総覧(第四次)
- 富雄丸山古墳の発掘調査 第6次調査 - 全国遺跡報告総覧 ※今回の発掘内容
富雄丸山古墳は、1972年の団地造成の際に発掘調査が実施された後、2017年に航空3次元測量調査によって円墳の可能性がある事が判明し、2018年頃から埋葬施設の再調査、発掘作業が行われはじめた日本最大の円墳です(直経109m)。2018年ー2019年頃には、日本最大の円墳が新たに発掘!という事で一度話題になっておりました。
古墳が形成される以前の弥生時代後期の土器が見つかったり、古墳跡からは古墳時代前期に多い埴輪や斜縁神獣鏡が見つかったりと、最近見つかった遺跡でありながら古墳時代の中でも古く、歴史の長さを感じられる古墳でもあります。ロマンの香り漂う古墳から今回、考古学者の脳を焼きかねないとんでもない物が発掘されてしまったわけです。
「蛇行剣」は、それ自体は西日本中心で発掘される事のあるタイプの鉄剣で、発掘される場所的に埋葬用だし戦い向きの形状ではないしということで祭祀用の剣ではないかと言われています。
今回前代未聞なのはその大きさ。⻑さ約237 cm(装具含むと267cm)と、なんですかここには巨人が住んでたんですかとツッコミたくなるサイズの剣が、古墳の副葬品として埋葬施設の所に盾型の鏡と一緒に埋葬されていたのです。しかもそんな属性モリモリの癖して蛇行剣の最古例だそうです。
そして一緒に埋葬されていた鏡もやばい。「鼉⿓(だりゅう)⽂盾形銅鏡」と名付けられた銅鏡は(名前かっこよすぎだろ)、明らかに用途は銅鏡でしょという表面加工をしていながら形状は盾という想像力を刺激するフォルムをしており、この形状は前代未聞です。
専門家も今まで想像だにしないタイプの銅鏡だったとのことですが、正直ゼルダの伝説のミラーシールドや金色のガッシュベルのラシルドなどで鏡+盾に慣れ親しんだ身としましては妄想した事のあるタイプの銅鏡で、その妄想が過ぎて、その昔ボツった自作小説で元々は神鏡なんだけど人の願いを受けて盾に変化した魔法反射もできる盾形武器みたいなものを出した事がありまして・・・。今回の発掘発表で「やっぱあるんだ!」「古代人も同じ発想するんだ!」と勝手に感動していました。
分かるよ、分かるよ、魔法を跳ね返す盾とかカッコいいよね・・・(※素人の見解です)。
果たしてこの古墳ではどんな人が埋葬され、どんな風に古墳を作ったのでしょうか。というかこんな巨大な剣と凝りまくった銅鏡、どこで作ってどう運んだのでしょう。
また、今回の発掘作業で、富雄丸山古墳の北東にちょこんとある(地図上そう見えるだけでサイズ感は別にちょこんではない)2号墳、3号墳がまとめて一つの前方後円墳の可能性が出てきているらしいです。更なる調査研究が待たれます。
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ほか、今回めずらしく湧水施設型埴輪(建物の形している埴輪)が出土しています。埴輪用の空間と一緒に。私はこれを見てジオラマ!ジオラマ!と勝手に盛り上がってしまいました。見解が出揃ってから騒いだ方が楽しい物件だと思いますので今回は大きく取り上げませんでしたが、なにげにすごい出土品です。
富雄丸山古墳について
(2023.01.29 誤字訂正しました。古墳と円墳すぐごっちゃにしてしまう…。)