ウツギの日々趣味日記

ゲーム・アニメ・音楽・読書など。趣味のことをつらつらと。

私のアニメ見聞録 #4 愛するSFアニメ作品

今回のアニメ見聞録は少し趣向を変えて、複数作品のレビューを書いてみることにしました。「愛するSFアニメ作品」と題して一気に6作品です。

 

 

無人惑星サヴァイヴ

無人惑星サヴァイヴ DVD?BOX1 

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2003年10月~2004年10月に放映されたオリジナルアニメ作品。運動音痴な私でも、あの重力を無視したバスケットボールは一回やってみたいと思った。一番最初に見たSFアニメ作品で、とても思い入れが強い。

宇宙に移住した人類、未来的な都市の街並み、ペットロボット。子どもの頃に思い描いたSF世界から、宇宙船の事故によって突如見知らぬ惑星に放り出される少年少女達。ストーリーは王道も王道で、そうして見知らぬ世界に放り出された少年少女が、右も左も分からぬ状態から少しずつ惑星を探検するというもの。

リアリティのあるSF作品ではない。主人公たちの能力はスーパー中学生と言ってもいいくらい飛びぬけているし、最終的には主人公が不思議な力を使いだしたり、宇宙人が登場したりする。それでも、当時見ている私にとっては未知の世界を探検するワクワク感があったし、魅力的なキャラクター達の旅が見ていてとても楽しかった。何度でも再放送して欲しい作品だ。

ゼーガペイン

ゼーガペイン 10th ANNIVERSARY BOX [Blu-ray]

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全26話、2006年に放映されたオリジナルアニメ作品。こういう種明かしのある作品は種明かしまでの話が冗長であることもしばしばだが、この作品はほどよく違和感を演出し、良いタイミングで種明かしをする。作品構成が丁寧で、そういった意味で個人的に評価が高い。

最後は流石にご都合主義が過ぎないかとも思ったが、主人公と共に世界の真実を知り、戦いを追体験しながら命や存在について思いを巡らせる時間は貴重だった。全ての種明かしがされた後で1話から見直すと、登場人物達の言動にはっとさせられる。最初から最後まで良く練られた作品だ。

ダブルヒロインがどちらも魅力的で、話の本筋でも重要な役割を演じているのが素晴らしい。恋愛要素が好きな人にもお勧めの作品だ。私が一番好きなのはシマとミナトだが、アークとクリスの関係にも惹かれる。

Serial experiments lain

serial experiments lain Blu-ray BOX

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メディアミックス作品で、ゲームも怖い。テレビアニメは1998年7月からの放映で、まだインターネットどころかパソコンが一般に普及しはじめた時代にここまでやれるのかという感じだった*1

ネットワークがリアルワールドを浸食していくさまは鳥肌ものだ。この作品で私が感じた得体の知れなさを、もっと色々な人に知って欲しいと思う。

ノエイン

ノエイン もうひとりの君へ  Blu-ray BOX

ノエイン もうひとりの君へ  Blu-ray BOX

 

全24話、2005年10月~2006年3月に放映されたオリジナルアニメ作品。未来からやってきた変な格好の男が実は15年後の自分だった。12歳の少年少女が、時間や空間を超えた戦いに巻き込まれ、翻弄される。

量子論の話も出てくる難解なSFもので、青春ドラマの描写部分は暗く、本筋と上手く噛み合っていないところがある。絵柄にも癖があるのでかなり人を選ぶ。ただ、個人的には好きな作品。

学園戦記ムリョウ

学園戦記ムリョウ Blu-ray BOX(普及版)

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2001年のオリジナルアニメ作品。ジャンルとしては日常系SFだろうか。普通に好き、くらいの作品なのだが、「宇宙人を受け入れる準備ができている人類」という設定にとても惹かれた。面白い事を試みている作品だと思う。

ある日突然飛来した奇妙な物体、宇宙人、超能力――。それらを見たとき果たして私達人類は、この世界にいる彼らと同じようにすんなり受け入れられるだろうか。「最後は話し合いで」というストーリーも新鮮だった。さりげないSF描写がとても良い。それだけに、ロボットアクション要素がちょっと浮いて見える。

朴璐美さんが演じる那由多ちゃんがめちゃくちゃ可愛いほか、この世界観を体現しているかのような主人公兼語り手の村田君、超然とした転入生のムリョウ君と主人公格からして面白いキャラクターが多い。青春ものとしても面白い作品。

本作の監督である佐藤竜雄さんは他にも「機動戦艦ナデシコ」「輪廻のラグランジェ」などオリジナルSFアニメの監督・総監督も務めている。

Ergo Proxy(エルゴプラクシー)

Ergo Proxy SET1 〈期間限定生産〉 [DVD]

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2006年放映、全23話のオリジナルアニメ作品。

管理社会、洗脳、言論統制――そういった言葉にときめきを感じてしまう人にはちょっと見て欲しい。この作品で描かれる世界はそんなディストピア、あるいはポストアポカリプスだ。

環境悪化によって人の住める地域が劇的に減ってしまった世界。人々は小さなドームの中で、オートレイヴというロボットと共に厳密に管理されて暮らしている。安定した、退屈な毎日を送る主人公リルだったが、ドーム内で起こる不可解な事件の調査をきっかけに、大きく事態は動き出す。

大筋としては漠然とした世界を真実を求めて旅する男女の物語だが、サスペンス的要素もあり、要所に哲学的要素や謎がちりばめられていて考えるのが楽しい。一体この世界に何が起こったのか――。個人的には、池頼広さんの手がけるダークな音楽も好き。

感想後記

たぶんまだまだあるのですが、その中でも特に印象深いものをリストアップしてみました。以前ゆっくり解説の紹介記事を書いた時と同じく、箇条書きした紹介文をそのまま文章に直しています。

あと今回、色々な条件で除外したうえで6つ選びました。まず、以前とりあげた作品は除外しました。他ジャンルだと認識しているものも除外しています。たとえば好きなロボットアニメ「銀河機攻隊 マジェスティックプリンス」は設定がSFなんですが、一番惹かれているのはアクション要素とかロボット周りです。「機動戦士ガンダム MS IGLOO」も一応SF設定の中だけど、あれは兵器ロマンですし。

原作付きアニメも除外してあります。「銀河英雄伝説」*2とか「モーレツ宇宙海賊」とか「ヨルムンガンド」とか好きなんですけど、あれは原作あってのものですし。

というか原作とアニメの関係については、

「いくら面白くなるからってここまで変えることある?」
「なんで先々の展開で矛盾の出るような謎改変するんだ」
「いくら急いでるからってすっ飛ばしすぎ!」
「丁寧に再現したと思ったら最後の最後で超絶展開かましやがったよ!」

などなど、原作を読んでいると苦悶すること多々で、原作を読んでいないならいないで「良いのかこれ褒めて、実は原作の改変なのでは?これを褒めたら原作者への冒涜になるのでは?」などと考えてしまい気持ちの整理がつかないので、もうしばらくは書くのを見送ろうと思います。

しかし、こうして並べてみると私って「存在とは何か」というテーマに迫った作品が好きなんですね。「同ジャンルで並べた方がどういう好み傾向の人の感想か分かりやすくなるんじゃないか」と思ってやってみた複数作品レビューでしたが、作品の偏り方に自分でもちょっと驚きました。

わりと手ごたえがあったので、今後も気が向けばこういう感じで複数作品の感想記事を書くことがあるかと思います。タイトルで検索して辿り着いた人のちょっとした参考になれば幸い。

 

*1:Googleの法人化が1998年9月。NTT東西によるISDN定額通信サービスが始まったのが2000年7月。

*2:旧作の方、新作はまだ見てない