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ウツギの日々趣味日記

ゲームなど中心に趣味のことをつらつらと。

未プレイでも虜になる美しい音楽「NieR:Automata Original Soundtrack」レビュー

 皆さんは「ドラッグオンドラグーン」「NieR」シリーズをご存知でしょうか。

ニーア レプリカント(特典なし)

ニーア レプリカント(特典なし)

 

プレイヤーに素晴らしい欝展開を提供するストーリー、製作者のこだわり満載世界観非情な決断を強いるドSなシステム・・・などなど。その個性的な内容から、ニッチなファンを多く抱えるゲームシリーズです。

私自身は、この手のゲームをプレイすると日常生活に支障をきたすレベルで疲れてしまう事もあり、未だシリーズをプレイをした事はありません。しかし音楽がドストライクだったこともあり、曲の購入した時にゲームについても調べて、ゲーム概要はなんとなく知っていました。

そのニーアの新作ということで、「プレイは精神がもたなそうだけど、せめてサントラくらいは買おう」と思い、色々悩んだ末に早期購入特典付きのバージョンを購入するにいたったのです。

もちろん、ゲームを遊んでいた方がこのサウンドトラックを味わい尽くせるのは言うまでもありません。あの作品から感じられるもどかしさや切なさというのは、絵と音楽、それを感じながら冒険するプレイヤーの「手ごたえ」があってはじめて味わい尽くせるものと思います。

しかし多くを知らずとも曲一つ一つは素晴らしいもので、ニーアに漂う空気を十分に味わえる内容になっています。私のように、音楽を通してゲームに好感を持つ方も少なからずいるはずです。CD入手に際しこの魅力の一端でも語ってみたいと思い、僭越ながらレビュー記事を書くことにしました。

 

本レビューはゲーム未プレイ・生放送での「NieR:Automata」プレイを一部視聴したうえでのレビューとなっています。シリーズ未プレイにつき気付かない点も多く、プレイした方と感想が違うところがあるかもしれません。また、曲の紹介にあたりゲーム内容に多少触れるため、ネタバレ要素が含まれています。その点ご容赦いただけると幸いです。

 

 

音楽を聴く前に:ブックレットに謎の文字列

NieR:Automata Original Soundtrack

NieR:Automata Original Soundtrack

まず始めに、このサウンドトラックはamazon・iTunesStoreともにダウンロード版が発売されています。そのため、所持する音楽プレイヤーに放り込んだりPCで聴いたりといった場合は、なにもCDジャケットを買う必要はありません。3枚組だと収納場所にも結構困ります。

f:id:jemiah93:20170331144700j:plain

それでも私がパッケージ版を購入するに至ったのは、早期購入特典CDにつられたところが大きいのですが、ディレクターの横尾太郎さんは変わった方との噂だったので、パッケージならではの仕掛けがあるんじゃないのかとちょっと期待もしていました。

そしたら案の定ブックレットに面白いものを発見したので、音楽の紹介に入る前にちょっとだけ紹介します。下の画像をご覧ください。

f:id:jemiah93:20170331144854j:plain

粗い画像で恐縮です、お分かりいただけるでしょうか。ディレクターのコメント欄のはずが、見事に謎の数字とアルファベットの羅列で埋め尽くされています。

e38の羅列が沢山見られること、アルファベットがa~fしかないので一定の法則があり、16進数で何か文章が書かれているのは間違いないようです。

色々試してみたところ、文章としてなんとか読める内容にはなりそうなのですが、どうも読む限り本編に絡む内容のようなので、私の方ではヒントの紹介に留めておきます。パソコンに慣れ親しんだ方ならすぐ解読法が思い浮かぶと思うので、気になる方はぜひご自分で解読してみてください。

造語好きにたまらないBGM 「世界」を駆け巡るサウンドトラック 

余談もそこそこに、早速曲を紹介していきましょう。

前作、切ない西洋ファンタジー風の曲が多数見られた「NieR RepliCant/Gestalt」。今回も同じような曲が沢山聴けるのかな・・・?と思いきや、それだけではありませんでした。

取リ憑イタ業病

取リ憑イタ業病

中でも今回一番テンションが上がったのがこの「取リ憑イタ業病」です。完全に西洋ファンタジーの気分で聴いていたら、祝詞のような声が流れてきて驚きました。

砂塵ノ記憶

砂塵ノ記憶

他にも広大な砂漠を思わせる「砂塵ノ記憶」に、「森ノ王国」「遺サレタ場所/遮光」のような緑溢れる音楽も。前作より広い世界を想定した楽曲群が印象的です。もちろん前作のような胸を引き裂くような悲しい曲も多数あり、「美シキ歌」などは特にオススメです。前作のサウンドトラック同様、造語の歌を思う存分味わうことができます。

Weight of the World/Nouveau-FR Version

Weight of the World/Nouveau-FR Version

加えて今回は主題歌の日本語・英語バージョンの他に、Nouveau-FRなるバージョンがあります。造語の歌が好きな方には、ぜひともオススメしたいサウンドトラックです。

前作より機械じみた音楽群 ゴツくて熱い曲が多数

ファンタジー色の強い本作ですが、今回は主人公がアンドロイドということもあり、SFチックな曲も多数収録されています。

異形ノ末路

異形ノ末路

 特に私が驚いたのがこの曲で、まさかニーアでこんなテクノ・トランスっぽい曲が聴けるとは思っていませんでした。ロボットアクションが連想されるようなゴツい曲も多く、前作と同じ気持ちでこのサウンドトラックを購入すると驚くところも多いかもしれません。

終ワリノ音

終ワリノ音

それでもニーアらしい繊細なニュアンスは確かに生きています。また違ったニーア世界が展開される今作のサウンドトラックは、前作のサウンドトラックを購入している方でも、買って損はありません。

前作アレンジ曲が多数 今作も愛される「エミール」

エミール/犠牲

エミール/犠牲

「Nier:Automata」は世界観のベースに「ドラッグオンドラグーン」「NieR」があることもあって、様々なところにシリーズの要素が盛り込まれています。

中でも多くのプレイヤーにとって印象的だったのは、前作キャラ「エミール」の再登場なのではないでしょうか。個人的にはこの「エミール/犠牲」が好きなだけに、どんな美しいアレンジ曲がくるのかワクワクしていました。

エミール/ショップ

エミール/ショップ

と思っていたら、なんだこの曲。

「ふふふん♪」「よいしょ!」とか微妙に音を外しているのが可愛らしくて結構なのですが、この長い年月の間に商魂逞しい奴になっているとは驚きです。おかしいな、もっとえげつない設定だったはずなんだけど・・・。

更に驚きなのがこの曲、こんな調子で5分以上続きます。こんなネタ曲ながら、よく聴くとちゃんと「エミール」のアレンジにもなっています。その愛されっぷりには、ただただ驚くばかりです。

エミール/絶望

エミール/絶望

その後で絶望を叩き付けるとは、なかなか屈折した愛情ですが。前作の「業苦」からより壮大で重々しくなったこの「エミール/絶望」は、NieR:Automataの世界観に見事にマッチしつつも、エミールの運命を知る者にある種の感傷を抱かせる出来になっています。多くを知らずとも、構成とタイトルから多くの事を思い浮かべられるこの曲は、個人的に一押しの楽曲です。

他にもこのサウンドトラックには、「前作の音楽が好きだったからサントラを買った!」という私のような人間にはたまらない、良質なアレンジ曲が沢山入っています。

オバアチャン/破壊

オバアチャン/破壊

なかでも印象的だったのがこの曲のアレンジで、前作悲しい御伽噺のような印象だったこの曲がなんかゴツくてカッコイイ曲になっている!というのが驚きでした。 「全テヲ破壊スル黒キ巨人 / 怪獣」など元々ゴツい曲も更にゴツさを増しており、"オートマタ"を意識したアレンジが注目ポイントです。

今作も健在 浸れる静かな曲が沢山

穏ヤカナ眠リ

穏ヤカナ眠リ

勢いのある曲ばかり紹介してきましたが、今作も 「穏ヤカナ眠リ」「大切ナ時間」「パスカル」など、思わず寝転がりたくなるような癒される曲が充実しています。「還ラナイ声」「「塔」」などの切ない曲も、浸りたい時にうってつけです。

愚カシイ兵器:丙

愚カシイ兵器:丙

中でも 前作の曲「愚カシイ機械」らしい機械音も聞こえる「愚カシイ兵器:丙」「愚カシイ兵器:乙:甲」は、個人的に浸れるベストソングです。他にも怖いものなら「割レタ心」「追悼」「沈痛ノ色」など、たっぷり浸れる静かな曲が非常に充実しています。

バージョン違いの曲は1つに 「コノママジャダメ」未収録部分も

こんな魅力的なサウンドトラックですが、いくらか注意点があります。

遊園施設

遊園施設

第一に、この曲に限らずこのサウンドトラックは、バージョン違いを1曲にまとめているようで、一部ゲームプレイ時と大きく曲構成が異なります。それでも違和感なく編曲されていますが、個人的に「遊園施設」はちょっと惜しく感じました。ゲームをプレイして/ゲームプレイを見てサウンドトラックが欲しくなった方には、注意していただきたいポイントです。

また、未収録曲もあります。上で紹介した「エミール/ショップ」の英語版が収録されていません。嘘だろ・・・。

生マレ出ヅル意思

生マレ出ヅル意思

曲自体は収録されているけど、バージョン違いが全く未収録のものもあります。

シェア機能を使ってプレイされている方の生放送を見ていて一番鳥肌の立った場面。機械生命体たちが「コノママジャダメ」と言いながら一斉に押し寄せ、主人公に襲い掛かってくる・・・。その時バックで流れていたのが「生マレ出ヅル意思」です。力強い曲と共に流れる拙い機械達の声に、得体の知れない恐怖をきっとプレイヤーの多くが味わったことと思います。

しかしサウンドトラックでは、この「コノママジャダメ」の部分がなく、「生マレ出ヅル意思」の曲のみの収録となっています。ただ、台詞の種類や作業の手間を考えると、すべてのバージョンを収録するのは難しかったのかもしれません。曲単体でも素晴らしい内容です。ともあれ、「ココママジャダメをもう一度味わいたいからサントラを買う!」という方は、その部分はまったく収録されていないので、ご注意ください。

早期購入特典は「HACKING TRACKS」8bit風アレンジがたまらない

www.4gamer.net

私がCDを予約注文するに至った最大の理由であるボーナストラック。最後はこのレビューで締めたいと思います。内容としてはゲーム中のハッキングパートでも聴くことのできる8Bit風アレンジの音楽集で、特に多くを語る事はありませんが、ピコピコした曲が好きな私にはたまらない内容でした。

音数を極限まで削った中で、最大限に曲の魅力を引き出したアレンジになっています。個人的には「終ワリノ音:丁」の低音部分が好きです。シューとかガチャンといった8bit独特のリズムの取り方がちゃんと活かされていて、聴いていて癖になります。

でもこんな良い内容なのに、特典にしてしまったのはちょっと勿体無いとも思いました。いずれダウンロード版でも良いので、何らかの形での再登場を期待したいところです・・・!

感想まとめ

久方ぶりの続編ということで、ちゃんとニーアが聴けるのかちょっと心配でした。でも、それは全くの杞憂だったようです。

本作でもニーアはちゃんとニーアであり続けてくれました。ゲーム内容についてはシューティング要素を含め賛否あるようですが、それでも本シリーズにとって核となる世界観の部分が、今作でもまったく損なわれる事なく作りこまれている事を嬉しく思います。

そして音楽も、前作からかなりの歳月が経っているにも関わらずしっかりと前作の雰囲気を引き継いで、且つ新しい刺激を提供してくれました。サントラを買おうと思って本当に良かったです。今回のレビューを通して、やっぱり余裕ができたらプレイしておきたいなと感じました。こんな記事ですが、サントラの魅力を一人にでも知ってもらえれば幸いです。

 

ニーア オートマタ - PS4

ニーア オートマタ - PS4

 

 

 

2017.04.02 18:27 amazonのダウンロード版のことを記述し忘れていたので追加しました。