ウツギの日々趣味日記

ゲーム・アニメ・音楽・読書など。趣味のことをつらつらと。

リーグオブレジェンド観戦の近況と、今後の記事について

めっきり観戦記事を書かなくなったこの頃。思うところあり、近況と今後の記事について書くことにしました。なんだかとりとめもない内容になりましたが、今の正直な気持ちです。どうぞ。

最近のプロリーグに思うところ

今年見る気になれませんし、記事を書くモチベーションもありませんでした。ただでさえkhan選手が引退して燃え尽き気味なのに、テンションが下がる事が多すぎた。今までの楽しい試合が、どれだけ多くのものに支えられていたか思い知りました。

勝負にケチがつく要因と、マンネリ気味の勝負

まず春の韓国LCKでコロナ感染者が多く出た時点でモヤモヤがありました。イベントこそが生活費を稼ぐ手段という層には死活手段ではあります。でも、有観客状態はまだまだ配慮と対策が必要に感じていて、前の席に観客を通したり、選手をノーマスクでステージの中心に座らせるのはちょっとどうなの・・・。とどうしても思ってしまい、見れませんでした。

案の定、感染者続出で試合が成り立たない展開に。各チームの主力メンバーが揃わない中試合をしたことで、T1の強さが不明瞭になったのもモヤモヤポイントでした。

そしてLCLは、ロシアによるウクライナ侵攻の影響を受け中止に・・・。戦争は本当に、関わったすべての国から自由な表現と喜びを奪う最悪の外交手段ですね。

それに加えてLEC・LCSは、今年見ていて心が動かない。好きだったチームの変化が大きいでしょうか・・・。

それでもLJLだけは見ていましたが、今年は昨年までと比べ観戦していて滾るものがなく。春のLJL決勝などは2017年夏のつまらなさを思い出す内容でした。このまま身内で盛り上がるだけで閉じていくリージョンなのかな・・・と思ってしまい、あまり直視できませんでした。

チームが一度強くなっても、それを維持していくことができる経済力や組織力のあるチームが、現状LJLにはDFMしかないのが一番の問題でしょう。そして強いチームが一つだけでは、その強さは衰えていくばかり・・・というのはLJLを見ていて誰しも思うことでしょう。

本当は、2019年の春(つまりDFMがWCSで快挙を成し遂げた翌年で、多方面から最も注目されていた時期)頃に他のチームも力を付けるチャンスはあったはずです。

しかし、LJLの現地観戦に押し寄せたファンに拒絶するような反応(*1)を示していたコメントや中核の人間がかなり多かった事を見ていても、界隈全体が様々なタレントを持つ人間が入ってくることを拒絶しているようなので、難しいでしょう。

更に悪い事には、CS(2部リーグ)が廃止され、新人選手がLJLの現役選手相手に経験を積む機会が極端に少なくなってしまいました。

digiday.jp

2019年前後に期待をかけてLJLに投資していたスポンサーも、そろそろ3年になりますし、ある程度の見切りをつけていく事が増えるでしょう。外部の人間が出てきてもコミュニティの体質は何も変わらなかったか・・・というのが正直なところ。

大会におけるリモート参加の是非/コロナ禍の中で

更にモヤモヤが深まったのは今年のMSILPLのチームがリモート参加になった事。

は?ベトナム(VCS)は2年も出れなかったんだが???

とまず思いましたし、リモート参加チームに合わせる為に人為的に上げる事になった会場pingが、リモート参加のLPLチームのpingより高いと発覚したことで、純粋に試合を楽しめなくなりました。

しかも高いpingに言及したのは、一人や二人ではありません。Faker選手をはじめとした複数人の選手、LJLからはYaharong選手も高いpingに言及していました。にもかかわらずしばらく問題は放置されたのです・・・。

こんな事をされたら、なんでもpingの所為にされてケチがつきます。どうしてもモヤモヤしてしまい、今季MSIはDFMの応援以外ほとんど見ませんでした。

eスポーツはインターネット環境を利用した対戦ゲームがほとんどであるため、オンライン大会が容易に行えると思われがちです。しかし実際は接続の問題や機材の問題、審判の存在など、オフライン開催でなければ確保できない様々な要素があります。今回の件は、悲しくもオンライン開催がeスポーツで難しい事を表す具体例の一つとなってしまいました。

記事を書く中で見逃してきた問題

そんなこんなで観戦から距離を取るようになり、今まで頭の片隅にありながら考えずにいたことについて、思い悩むようになりました。

今だから書きますが、私がLOL観戦の記事を書き始めたのは、危機感のようなものからでした。「感想を表現しなければ遊べなくなってしまう作品だ」――そんな危機感です。

何らかの作品のファンになれば一度は経験するでしょう。買わずにいたら絶版になった本、好きの一言を送らなかった所為で失踪した絵師、オンラインゲームは初心者を育てなければ過疎化が進みいずれ消えます。いくつかの作品のファンとしてそんな苦い経験を今まで幾度となくしてきました。2016年春に日本サーバーが始まった当初、LOLにはそんな「サービス終了寸前のオンラインゲーム」のような雰囲気が漂っていました。

特に危機感を覚えたのが出会ったベテランプレイヤーの態度です。過疎が悪化したオンラインゲームでは、古参勢がアイテムを恵んでくれたり攻略を手伝ってくれたりと、異様に初心者に優しかったりするのですが、LOLの日本サーバーが始まったころの雰囲気がまさにそれで、「始まったばかりのサーバーなのになんだこの世紀末みたいな雰囲気は」「そんなに人が定着しないゲームなのか…」と驚いたのを今でもよく覚えています。

そして日本のコミュニティを覗いてみても、初心者なんてすぐいなくなってしまうよ暴言が酷いしゲームは難しいし・・・という雰囲気ではありませんか。これはいけない。

「待ってくれ。確かにそういう側面はある!でもここに!ここに新規プレイヤーがおるぞ!下手なりにプロリーグにもハマってるぞ!だから!だからやめないで日本サーバーを!LJLを!お願い!」

そうどうしても伝えたくて、勢いで書き貯めたメモを掲載したのが最初の観戦記事でした。

この記事は関係者には書けません。「他にも好きなゲームがある人間が、LOLにハマって大会も楽しんでいる」――これを打ち出せるのは、その辺に転がっている私のような大して数字も持っていない素人だけなのです。

そしてそのただのファンの声が集まることで、LJLも、日本サーバーも続いていくのです。私はどうしても日本サーバーに続いてほしかった。あの時優しく接してくれた先輩サモナーたちの努力を無駄にしない為にも。

特にLOL界隈の一部は、「LOLだけを愛せ、他のゲームの話をするな」「身内に来い、来ないなら消えろ」という雰囲気が漂っていて、関連記事の著者はだいたい関係者と関わりがあるという感じでした。そういった雰囲気も過疎を助長していたと思います。

そんな中、「色んなゲームハマってきたけど今好きなのはこれ!」なんて特に身内感のない素人記事がポンと出てきたら「あれ?もしかしてもっといろんな人にウケるゲームなんじゃね?」と思ってもらえるかもしれません。

その目論見は、一部は成功したのではないかと思っていますし、私はゲーム観戦の魅力を語った事については何も後悔していません。だって本当に面白かったんですもの。

いずれゲームを蝕む差別的な文化

kotaku.com

しかし私は記事を書く中で、LOLにある嫌な部分を言及する事をほとんどしませんでした。特に数々の不祥事や差別(特に性別に関するもの)・暴言に関するものです。大きい反響のあった事件や、目に余るものについては言及したものの、その部分をかなり我慢してこれまで記事を書いてきました。面倒な人たちには極力関わらず観戦を楽しみたかったのです(*2)。

しかし今にしてみれば当時の私は周囲の反応に過敏でした。気にせず話題にしても良かったな、と今になって思います。

LOLコミュニティ(*3)における性差別は、性別比率の偏ったコンテンツ(男性多数にしろ女性多数にしろ)に多くかかわってきてそれなりに面倒に巻き込まれたことのある私でさえ眉を顰めるほど酷いものでしたから。

私の体験から・排他的なコミュニティは何が問題か

たとえば分かりやすいのが下ネタでしょうか。男性比率の高いコミュニティでは、男性だというだけで下ネタ好きが強要され、親しくもない人と女性の好みの話をしたり、同性愛者を馬鹿にしなければならないようなホモソーシャル的なコミュニケーションを求められる事がしばしば見受けられます。それが、LOL関係のコミュニティは過剰でした。

ゲーム外に一歩出てみると多く感じます。「俺は下ネタは苦手だからやめてほしい」と言っても「本当は好きな癖にいい子ぶるなよー」とか「まさかお前女か?」と本気で言ってくるような人が幅を利かせているのです。

いやいや、下ネタにも種類があるし、たとえ好きでも大丈夫なネタと無理なネタがあるし、だいたい大して性格も把握してない・親しくもない奴と下ネタみたいなどこに地雷原があるか分かんない話題で盛り上がりたくないし。好きかどうかと人と話して盛り上がりたいかどうかは別の話だし・・・。というような反論をことごとく無視されます。

相手が傷つくかもしれない、嫌がるかもしれない、自分とは別種の人間かもしれないという考えが持てない。「苦手な人もいるから気を付けようね」程度のコミュニケーションさえ通じないのです。

結果、排他的な空間に居心地の良さを感じる人々を呼び込んでしまううえ、同時にトラブルに対処してくれそうな人物がコミュニケーションを放棄した相手に見切りをつけて去ってしまう。

そういう問題ある態度を長年とり続け、結果としてコミュニケーションに問題を抱えた排他的なコミュニティとして熟成してしまったのが、現在のLOLコミュニティなのではないかな、と感じています。(*4

非常に身につまされる話ですが、これを個人でやるならともかくコミュニティ単位でやってしまったらどうなるでしょう。排除の末に多方面から恨みを買い、コミュニケーションが不自由な人間だけで問題に対処しなければならなくなったとしたら・・・。

果たして集団の価値観に迎合する事でしかコミュニケーションを取れない集団が、問題に対処できるのでしょうか。

価値観とステータス意識

更に厄介なのが、こういう画一的な価値観の集団は集団のあらゆる問題行動を許容しかねないということです。

たとえば、こういうコミュニティで上手くやっていくには、「常に女性に興味を持ち、下ネタが好きで、知人や友人あるいは本人が同性愛者であってもホモネタを発しなければならず、同じ価値観を共有する同士であることを証明し続けなければ」なりません。強要される程度にもよりますが、恋人がいるなどは最も手っ取り早い証明方法でしょう。

逆を言えばたとえ女性であったとしても、荒っぽい話口調で、下ネタを躊躇なく口にするとなぜか男性扱いを受けるということです。「まさか女だとは思わなかった」とか、「今でも信じられない」だとか「◎◎は例外だから」(*5)などと言われます。彼らは同じ価値観を共有する者に対しあまりに無防備で寛容です。

また、そういったコミュニティにおいては、恋愛体験を人よりもっている事が一種のステータスになります。彼女を作ろうとしなかったり、恋愛に興味がない事を訝しまれることさえあります。

その為、無理やり恋人を作ろうとしたり、誰でも良いので関係を持とうとすることで疑いを晴らそうとするような人が後を絶ちませんし、犯罪に片足踏み込んだような行為が「性欲の為だから仕方ない」などと(自身もコミュニティからのプレッシャーを感じているから尚更)許容されてしまうことさえあります

しかし少し考えれば分かるでしょう。相手の事を思いやれるような理性のある人間は、そもそも理性と本能のせめぎ合うような状況を避けるはずです。その前提が抜けているのは非常に危険です。

性的被害は氷山の一角に過ぎない

automaton-media.com

今年、元選手がコーチの立場を利用して生徒に手を出す事件が起こりました。

このような上下関係を利用したハラスメントの被害者は未成年とも限りませんし、女性とも限りません。性的なものとも限りません。性的暴力なんてものは氷山の一角のようなもので、他にも様々な暴力が行われているかもしれないのです。

この事件について、関係者からの反応はあまりに薄く、また元選手に対するコメントには犯罪だという認識が薄いものも見受けられ、驚きました。しかし上記の前提を思えば何ら不思議な事でもないのかもしれません。

更に被害者が未成年の女性ということで、問題を対岸の火事として捉えている人が関係者には多いのではないでしょうか。

自分は成人しているから、男性だから被害者になるわけがないだとか、自分の知人に加害者がいるわけがないだとか、自分が共犯者扱いされたり、犯罪に巻き込まれるわけがないだとか、今回の被害者はアマチュアだからプロなら大丈夫だとか、どこかで思っているから問題にしないのでは?

そんなわけはないのに。危険な兆候だと思いました。

恐るべき被害の事例

nlab.itmedia.co.jp

なにしろ性的被害はゲーム業界全体で既に問題になっています。しかも、被害者は女性とは限りません。2020年EVOの一連の騒動においては、事態を深刻に受け取めた企業が次々と不参加を表明しました。

automaton-media.com

被害はイベント内に限りません。昨今では関連大手メーカーで差別的な扱いが次々告発されています。更に、どの会社の告発記事でも、性差別を行うような会社では人種差別も平然と行われていたということが伺えました。こういった差別が根付いている場所で行われる暴力は性別にまつわるものとは限らないということです。

そして公正さが大切な対人ゲームにおいて、こんな不公平な裁決を下すゲームメーカーは果たして管理者としてきちんと機能するのでしょうか。

不公平な運営者に問題行動を裁けるのか

forbesjapan.com

私が今でも思いだすのは2018年のDara選手の一件(ブログ内記事)ですが、最近ショックだったのが、TSM創設者のパワハラです。プロ選手や従業員たちからパワハラを告発されており、しかも調査の結果、「不正行為が数年にわたることが判明した」とのことです。

言動に問題がある人物なのはちらほら目にしていました。私がショックを受けたのは、それを何年も放置したライアット側に対してです。いや、アウトなんだったらもっと前に処罰するタイミングがあっただろう、と。

TSMはプロリーグ観戦を始めた頃好きになった選手の一人であるbjergsen選手(※現在はTLの選手)も所属していたチームであったので、実は色々トラブルがあったのかなあ・・・などと思ってしまい本当に嫌でした。

そして、パワハラが何年にもわたっていたにもかかわらず、保護観察処分程度で済ませる対応に反吐がでました。

本当にゲームが好きなら、実力を盾に他者に暴力を振るい、ゲームを食い物にするような行為を許せないはずです。この人達、本当にゲームが好きなのか?

元々「ゲームは好きだけどこのコミュニティの人に関わる事は慎重にしよう」と思っていたのが、こうした様々な問題を受け「距離を取ろう」にかわりました。

こういう問題が起こってしまうのは、上記の差別問題を放置していた会社の体質にもよく現れているでしょう。本当はどんな暴力行為も正しく裁かれるべきなのですが、こういった事例をみるにつき、「加害者が自分の身内だから、被害者が名乗り出てこないから、こんな事はコミュニティでは当たり前だから、証言は嘘に違いないから」そんな風に色々理由を付けて問題を矮小化しているのではと思わざるをえません。

それでも処分が下ったのは選手団体の努力に違いありません。でも、選手団体を作り、何か月も何年も辛抱強く訴えなければ下らない処分って、なに?

問題はこのチームだけではありません。国内・国外問わず、チーム運営の問題を聞く度に心が辛いです。選手や関係者のブースティングやスマーフィング行為に対する甘さも気になります。

私はこれらの問題が、排他的で様々な意見を許さず、同じ価値観を共有する仲間に甘くなってしまうコミュニティの在り方に起因しているのでは、と思えてなりません。認識を改めて欲しいものです。

今後のLOL観戦記事について

ゲームは相変わらず楽しく遊んでいます。しかし今後、観戦についてまとまった記事を書くのは控えようと思います。また、LOLに対する時間や予算の割き方も考え直そうと思います。観戦熱が冷めた今、上記に挙げたLOLの駄目な部分にもう耐えられなくなってしまいました。

私のコミュニティに関する見解は自身の体験からくるところが多く、また、わざわざネガティブな事を書き連ねるのもどうかと思ったのですが、一人のファンにとってコミュニティがどう見えているのかということと、今後、苦しむプロリーグ関係者がいた時に、せめてここにNOと言うファンがいたよという事を示す為に、この記事を残しておこうと思います。

昨今、告発などの流れがあるにもかかわらず、ライアットの認識は甘いと言わざるを得ません。

私は、様々な作品が世の中に存在できるのは、様々な愛するものを抱えた様々な人が、お互いに存在を許しているからだと考えています。私は単純に、色々な人が作った、様々なゲームを遊びたい。そういった意味でも、創造性に逆行するような態度は改めていただきたいです。

製作者や選手の権利が守られ、また、試合が公正に行われ、どのような立場の者であっても不正行為や迷惑行為が罰せられるよう願います。

 

 

 

 

 

*1:特に女性に対しての中傷コメントが多かったと記憶しているのですが、現地観戦ではファンの間で何があったのでしょうか。私はあれで怖くなって、現地観戦を断念しました。

*2:そして、ポジティブを心掛けていればそういう面倒な人達の声は気にならない程度になるだろう、とも思っていた。

*3:ここではツイートやライブ配信でのコメントを含めた、LOLを通じて行われるコミュニケーション全般を指しています

*4:追記:つまり、

①αコミュニティで共通言語としてAを使い続けた結果、
②Aに興味のある人間が居心地の良さを感じて入り浸るようになり、
実際にはAには興味がなく、共通言語以上の意味を見い出せないメンバーは過激な内容について行けず離脱し、
④②で参入したメンバーと、離脱しなかったメンバーが残るのではないか・・・という話。

Aを話すことが主になってしまい、話題の中心であるはずのαが蔑ろにされる危険がある。

*5:例外として処理する事で女性に対するステレオタイプを維持しようとする行為ですね