ウツギの日々趣味日記

ゲームなど中心に趣味のことをつらつらと。

今日の読書 #18 「光とともに・・・」(秋田書店)

今日の読書は「光とともに・・・」。自閉症の子どもの成長を描くフィクション漫画です。

 

行きよりの本屋では児童書コーナーも充実していることもあってか、ときどき夫婦や親子の会話が聞こえてきます。

その日も夫婦が教材の前で真剣そうにしていて「お子さんの教材選びかな?」と微笑ましく思っていたのですが、本を選んでいると後ろで鋭い声が聞こえてきました。

「現に本人が困ってるの!」

「あの年ならあんなもん」「神経質になりすぎだ」と少々イライラしながら諌める父親に、「今のうちに直さないと大変な事になる」「何とかしなければ」と戦々恐々としている母親。その会話がしばらく頭にこびりついて離れませんでした。

それから少し経ち、ちょっと興味があって発達障害に関する記事を読む機会がありました。そこでこの漫画がたびたび参考書籍として紹介されていたので、何気なしにこの漫画にも手をつけました。

すると、本屋でその夫婦がしていたのと同じような会話が9巻で繰り広げられているんですよね。ビックリしました。

本書はそんな、意外と現実の近い所にあるフィクション漫画です。

 

本書では、自閉症の息子光君の子育てを通して、自閉症とそれを取り巻く社会が描かれます。

主人公の幸子さんがとにかく聖母みたいな人で、自閉症の光君の為に学校選びから自治体との交渉から東奔西走。次々降りかかる問題に時にくじけながらも果敢に挑みます。実際にはこんなに時間もお金も掛けられないでしょうし、少々現実味には欠けるかもしれません。

しかし、自閉症について全く無知な私にとって、彼女の途方も無い奔走を通して見えてくる「自閉症を取り巻く世界」は非常に参考になりましたし、「こんな時どうすれば良いか」その具体例や理想的な対応の一例を描いているという点で、これ以上の教材はないと感じました。

多くの取材を元に描かれており、自閉症以外の発達障害学習障害など、光の周囲に登場する子ども達の抱える事情も様々です。1巻1巻が濃く、読み出したらあっという間です。

特に強く印象に残っているのが本編で何度も繰り返される「光君が言葉は分かってくれなくても文字では分かる」という描写で、同じように見える情報でも、音か文字かで脳の捉え方や感受性は全く違うのだと――脳の種類の幅広さについ思いを馳せてしまいました。

難点をあげるならばやはり連載時期(2001~2010年)もあってか情報が古い懸念がある点でしょうか。他にも価値観と言い絵柄と言い古いなという印象はあります。

あとはこの手の本では珍しく中学編(13巻)で性教育にも触れているのですが、生々しい話もあるので人によっては嫌かもしれません。なので今回、掲載するかちょっと迷いましたが、良い本には違いなく、紹介したい気持ちが勝り掲載にいたりました。

自閉症がどんなものか知りたい方、周りにいて「どう接したら良いか分からない」と困り果てている方。そしてなにより、お子さんの事で真剣に言い合える夫婦に手にとって欲しい漫画です。

光とともに… (1)

光とともに… (1)