7月もそろそろ終盤、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。私はといいますと、ある面倒なフォロワーについてずっと考えていました・・・。
そう、コイツですコイツ!「昏き底より出でる者」です!
「バフォメット」のエンハンス効果でコストを下げられ、最速6ターンで場に出る悪魔!潜伏状態から殴るだけでリーダーに6点なのに、相手の顔面にぶちかませば6x2=12点!進化込みだと8x2=16点で、次のターンに「アルカード」の疾走で20点パンチも実現してしまう恐ろしいカードです。っていうかこんな効果もらっといて6/7ってなんだよ!モルディカイの立場は!?
開発チームでは、現在のゲーム環境の対戦データにおいて、特定のデッキの使用率がとても高いことを確認しております。これに対応するため、7月31日に、レジェンドを含む5枚以上のカードの能力変更を検討しております。詳細は7月30日に発表いたします。#Shadowverse
— Shadowverse公式アカウント (@shadowverse_jp) 2017年7月18日
公式ツイッターによれば上記の通りで、このカードがナーフ対象に含まれている可能性は大いにあるでしょう。しかし、いやだからこそ!いまここで奴についてまとめておきたい!
というわけで 今回はこの「昏き底より出でる者」の凶悪さと、どんな対処法があるかを自分なりにまとめてみました。ナーフ情報まであと数日。この記事が一瞬で過去の遺物になることを願いつつ、早速いってみましょう。
「昏き底より出でる者」いかなるものぞ
恵まれた性能。進化後には「黙示録」さえ刺さらない8/9という恐ろしいスタッツ。バフォメットからの6ターン登場、20点パンチの恐ろしさは前置きで既に書いたとおりですが、嫌なのはそれだけじゃありません。
まず破壊してもあまり意味がありません。潜伏状態で破壊されたらラストワードで6ダメージ、進化後なら8ダメージが待っています。序盤から「トーヴ」等の嫌なカードが続くニュートラル軸のヴァンパイア相手だと、それだけでピンチになってしまう事もあります。
潜伏も厄介です。もし潜伏持ちでなければ削ってからの「漆黒の法典」、「破邪の光」「ライトニングブラスト」などの消滅カード、「クリスタリア・リリィ」「変成の魔術」などで変身させるなどいくらでもやりようがあるのですが、潜伏効果で選べないので対抗手段が限られてしまうのです。
さらに具合が悪いのが、20点パンチを実現するための後続のカードが複数存在していること。「アルカード」の他にも、前回のまとめでもちょっと紹介した「デモンオフィサー・エメラダ」は、1枚くらいの盾なら簡単に突破してしまう嫌な性能を持っています。「鋭利な一裂き」を「緋色の剣士」と一緒に使うことで5点を確実に確保できるのでこれも厄介。
そんな訳で20点パンチを阻止しても辛い場面が続き、各所からヘイトを集めているのがこのカード・デッキタイプというわけです。
- 1ターン:ゴブリン
- 2ターン:トーヴ
- 3ターン:ゴブリンリーダー
- 4ターン:豪拳の用心棒・不思議の探求者アリス
- 5ターン:バフォメット
- 6ターン:昏き底より出でる者
- 7ターン:アルカード・エメラダ...
毎ターンこんな動きされたらどうにもなりません!無理!
それでも毎回相手の引きがこんなに良い事はないはず。どんな対策があるのか、色々調べてきました。
基本対策は「置けるターンを作らない」
そもそも「バフォメット」→「昏き」という動きをされるから辛い。だったら「置いたらやられるのでは!?」と相手が思う状況を作ればいい、というのが基本的な対策でしょう。
幸いにして、今回のカードパックはニュートラルを中心に序盤から強い動きができるカードが多いので、そこまで神経質になる必要もないかもしれません。クラスカードに限定しても現状のアグレッシブな土ウィッチは(私が土ウィッチ好きと言う事をさし引いても)除去かダメージか選択できるカードが多いので有利になりやすい印象です。他にもネクロマンサーなど、序盤からどんどんフォロワーを並べて相手に悠長に準備している隙を与えないデッキを使うのが勝利への近道でしょう。
とはいえ、そんな綺麗にデッキがまわる対戦なんてそうそうありません。なんとか凌いでも6ターン目に置かれたらどうすんだよ!ということで、色々な対策カードを考えてみました。
6ターンに間に合う対策カード
対策その1:変身させる
ウィッチのカードには「変異の雷撃」という相手のフォロワーを全員「燃えネズミ」にしてしまうカードがあります。この場合には変身してしまうのでダメージを完全に無効化することができます。土(秘術)ウィッチや「オズ」採用のウィッチで枠があるので、試してみる価値はあり。似たような効果のカードでは場のフォロワーを全部スノーマンに変えてしまう「冬の女王の気紛れ」もありますが、採用率は謎。「オズ」との相性が良いみたいなんで、ちょっと見てみたいです。
対策その2:破壊しちゃう
完璧な対処法、とは言えませんが相手の狙いを挫くのに「破壊」という選択肢は十分ありえます。特にビショップ、ネクロマンサーは潜伏状態のフォロワーでも関係なしに除去できるカードが多めなのでおすすめ。ビショップなら「神魔裁判所」「テミスの審判」、ネクロマンサーなら「よろめく不死者」の破壊、「ネクロアサシン」のファンファーレ等、いずれも現状のデッキに入りうるカードです。
対策その3:お帰りいただく
エルフは手札にカードを戻すいわゆる「バウンス」カードが多数存在しますが、「昏き」対策では「妖精のいたずら」が活躍。効果がランダムなので潜伏も関係なくお帰りいただくことが可能です。ただ、3枚も採用すると動きが弱くなりがち。バウンスカードが次の動きに繋がるようなデッキ構築にする必要がありそうです。
対策その4:攻撃させない
その場しのぎにはなってしまうのですが、「攻撃不能にする」手段も。ビショップのアミュレット「アイアンメイデン」はカウント0まで毎ターン効果が発動するのがポイントです。エルフのアミュレット「まどろみの森」も似たような効果があります。
対策その5:ダメージを無効に・軽減する
リーダーに与えるダメージを無効にする手段も、ウィッチの「タイムレスウィッチ」は破壊される心配もありますが、盾と一緒に並べるなどの工夫で一気に面倒くさくなります。またヴァンパイアの「黒死の仮面」は、1回分の攻撃なら6以上のダメージも無効にしてくれるので、能力分のダメージが無効になり、受けるダメージが半分で済みます。
他にもビショップの「赤枝の聖騎士・ノイシュ」はダメージ抑えることができ、状況を選べば活躍します。試してみる価値はあるかも。
対策その6:守護を立てる
それもできれば複数立てたいところ。ヴァンパイア同士のミラーマッチを見るなら、ヴァンパイアの「クイーンヴァンパイア」は意外に頼りになります。個人的にはビショップの「ホワイトタイガー」も推していきたいところですが、実際にやってみたらアルカードを走らされて辛い場面が多かったです・・・。
対策その7:バフォメットのファンファーレを無効にする
将を射んと欲すればまず馬を射よ。ニュートラルの「彷徨の詩人・エルタ」の進化時効果でファンファーレを無効にしてしまえば、バフォメットのサーチ行動を防ぐ事ができます。心配なのがスタッツですが、「アリス」採用のデッキならそこまで気にならないかもしれません。「お互いのリーダーは」という点に注意。
「昏き底より出でる者」軸デッキの対策デッキは?
以上を踏まえたうえで、このデッキだと楽だった・このデッキならいけるんじゃないかというのを色々検討してみました。
土(秘術)アグロウィッチ
お手軽な対策としては土ウィッチがオススメ。上記に紹介したようにウィッチには明確な対策カードがあり、盤面を取りやすくて有利に対戦を進めやすいこと、リーダーにダメージをぶち込むカードが多数あるので相手へのプレッシャーもあります。生成コストが安めなのもポイントです。
現在AA1の私が使っている土アグロウィッチはこんな感じ。後攻でも両「レヴィ」のお陰でそんなに苦にならず、 バーンダメージを大事に使って勝つことが多いデッキです。生成コストは9350となかなかの安さ。ただし、ざっと調べてみたところ、
- 「変異の雷撃」の枚数の違い(2枚以上が多い)
- 「マジカルガール・メルヴィ」の有無(ドロー時のリスクが無い「オズの大魔女」が入れ替え候補)
- 「禁忌の研究者」の採用で「昏き」破壊・盤面確保も見据えたもの
- 「デモンストライク」採用でリーダーへのダメージを重視
- 「虹の輝き」採用で「トーヴ対策」とドローソース確保
- 「クラフトウォーロック」の有無...
などなど構築にかなり幅があったので、生成コストは前後しそうです。細部は周りのデッキや皆さんのお好みで調整する事をオススメします。
ラストワードネクロ
前弾「神々の騒嵐」で、アグロ寄りのミッドレンジデッキである「ヘクターネクロ」を使っていた皆さんにはこのデッキをオススメ。使いこなすのにそんなに苦労はしないはずです。
破壊手段が沢山あって盤面も取りやすく、万が一「昏き」が置かれても安心してプレイできます。なによりアグロ寄りの構成にすると、相手は常に「ミミココ+ファントムハウル」や「魔将軍・ヘクター」に脅えなければならず、大きなプレッシャーになります。前から「ケルベロス」や「ヘクター」を所持していれば新しく作るカードが少なく済むのもポイントです。
破壊先としての「ボーンキマイラ」「闇の従者」、「ネクロアサシン」「ウルズ」で墓地肥やしや盤面確保もバッチリ。今回は「デーモンイーター」の登場で、破壊手段・墓地肥やし・ドロー手段が一挙に充実したので、引けない墓地ないと嘆く心配も減りました。
私はヘクターの枚数がこの通りなためアグロ寄りの構築で試してみましたが、ヘクター抜きでも結構盤面がとりやすく押し切りやすかったです。オススメ。
他クラスのデッキは?
上記でも紹介したとおり、ビショップは対策できるカードが非常に多いです。加えて「天狐」によりますます盤面を放置できなくなった「エイラ」。「スノーホワイトプリンセス」の存在で序盤の動きが良くなり、「黄金郷の獅子」がアツい「疾走」などなど、色々なデッキタイプが順当に強化されている印象。ビショップに慣れた人はビショップデッキを色々試してみるのも良いかも。
またロイヤルも、トーヴに対抗できる「火遁の術」、3ターンの「シンデレラ」、必殺もちが出てくる「トランプナイト招集」のほか、突進フォロワーの存在など心強く、はっきりした対処カードは少ないものの、盤面を有利にしてバフォメットを置く隙を与えない!ということを考えれば十分候補にあがると思います。
エルフは使っていないので分かりませんが、ニュートラル軸なら勝てる芽はあるかもしれません。ドラゴンは序盤の動きが弱めなので現状ではとても辛いです。凌いでしまえば中盤以降の動きが凄まじくなっているので、31日のカード変更次第では猛威を振るいそうな予感。
いっそヴァンパイアで挑むという場合は、採用カードで差をつけたいところ。盤面をとるか、防御的なカードを積むかでも違ってきます。AAランク帯では、「ファントムキャット」採用のニュートラル軸ヴァンパイアも見かけるようになりました。バフォメットでコストを下げなくても早いうちに出せる、手札枯渇の緩和ができる、ダメージも出ると良い事尽くめ。アグロっぽい動きができるのもポイントです。
まとめ・ナーフ発表を控えて
もう各種サイトで情報が出回っている段階ですが、どうしても自分なりに記録しておきたいと思い決行しました。以上、「昏き底より出でる者」対策いかがだったでしょうか。
個人的な意見を書かせてもらうと、20点パンチ自体は別に良いのです。私は「白銀の矢」の9点ダメージが大好きですし、「力場」でどんどん雪だるまが強くなっていくのは楽しくてたまりませんでした。「ネフティス」ネクロなんか、神々の騒嵐環境でもそのまま使っていたくらいです。「昏き」はその爽快感の新しい形を提示しようとした、試行錯誤の結果なのでしょう。
しかし、今までそのロマンを成すには、一見デタラメなダメージのようで必要なカードがたくさんあり、デッキ構築の縛りがあり、カードが揃うのか・上手く決めさせてもらえるのかハラハラしながら戦うのが常でした。難しさがあるからこそ、理想的なダメージをたたきだせた時の爽快感があったのです。
4弾・5弾と、見所のあるデッキはあるものの表舞台に立つ事はなく、そういう楽しさから遠のいていっているように思います。
どうせカードゲームなら、カードの組み合わせで勝ちたい。リスクをとって勝負に出たい。そんな望みが叶う環境になっていく事を願います。早く来い、30日!