ウツギの日々趣味日記

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今日の読書 #2 「ハロウィーンの文化誌」(原書房) "誤解に満ちた祝祭"の歴史

もうすぐハロウィンですね!というわけで、今日の読書はハロウィーン文化誌」。ハロウィンにまつわる本です。

 

著者は作家・シナリオライターのリサ・モートン。ハロウィン研究の第一人者らしいです。どんだけハロウィンが好きなんだよ!というくらい他にもハロウィンについて色々な本を出していて、ハロウィーン・ブック・フェルティヴァルとやらで大賞を受賞したこともあるとか。

今回紹介する本は、そんなリサ・モートンが執筆した本の中でも日本語訳が出ているもので、ハロウィンという文化の数奇な運命を辿る、「ハロウィンの歴史の本」です。

そもそも、ハロウィンはどんなお祭りかはっきりしていなくて、ケルトのお祭りが由来だとは言われるものの、元々どんな事が行われていて、どうやって普及していたのか諸説あります。そういった実に不可解で魅力的なハロウィンが、人々の間でどう理解され取り入れられていったのか。本書はその誤解や空想も含めて、丁寧に追っていきます。

現在の日本ではハロウィンで仮装パーティーを楽しむ人々のマナーが問題になったりもしますが、本書を読むと昔のもっと過激な馬鹿騒ぎや、殆ど犯罪行為といっても良い悪ふざけについて書かれていて、その程度の差に愕然とします。しかも、現在の仮装やパーティーの形式を広めたのは教会の青年会や地域の市民団体で、そうした行き過ぎた悪ふざけから彼らを遠ざけるためだったとか。そうすると、仮装パーティーの後始末に頭を抱える私達はまだ平和な方なのかもしれません。個人的には、ちょっとハロウィンの見方が変わった一冊でもありました。

ハロウィンについて思うところのある人、もっとハロウィンを知りたい人。「こんなお祭りになってしまったのは一体なぜだろう?」と1度でも頭を掠めた方は、この本を手に取ってみてはいかがでしょうか。答えの糸口が見つかるかもしれません。

 

ハロウィーンの文化誌

ハロウィーンの文化誌