8月も半ば、SummerSplitも終盤に突入しました。
LOL観戦勢の皆さんもご存知の通り、この夏はマークスマンのナーフやファンネリングの登場、波乱の展開が続きました。そしてプロシーンもまたこのメタの呷りを受け、人気選手のベンチ入りやロールチェンジなど波乱の展開が起きています。
ファンネリングは落ち着いてきており、マークスマンも顔を出すようになってきましたが、まだまだプロシーンの先行きは不透明です。混乱のさなか、選手の頻繁な交代やベンチ入りという展開も見受けられました。
そこで今回はWCSに向けて混乱しないように、選手交代を中心に最近のプロシーンで起こった事をまとめてみる事にしました。どうぞ。
選手交代、まさかのベンチ入り
MSI後、パッチ8.11のマークスマンのナーフを受けてのチームの反応は様々です。度重なる選手交代にベンチ入り、その中でも印象に残っているトピックを紹介。
6/14:Sneaky選手のいないC9?と思ったらC9Aに参上
Outside chillin with the boys #benched pic.twitter.com/0oNptPyKb2
— Andy Ta (@Smoothie) June 13, 2018
Sneaky選手、Jensen選手、Smoothie選手が一気にベンチ入り!SummerSplit序盤から、ファンに衝撃が走ります。
しかし、冗談のようなハッシュタグに余裕たっぷりの笑顔は、何か含みを感じさせるものがありました。
「もしかして何か戦略を用意しているのでは」「新しいメタにあわせるための調整期間なのでは」そんな風に先行きを見守っていたところ、この3人の選手は「NA Academy Summer」にC9Aの選手として登場。思う存分暴れた後、7月しれっと復帰していました。この野郎。
参考
- FLYA vs C9A game 1 - NA Academy Summer 2018 WEEK1 - Game of Legends
- Cloud9 vs Echo Fox game 1 - NA LCS Summer 2018 WEEK6 - Game of Legends
6/17:Huni選手がジャングラー!?EchoFoxの試行錯誤
選手交代はこれだけで終わりません。この試合を見た時は呆然としました。まさかのジャングラー!
このチームに限らず、このメタが始まった頃は色々な組み合わせを試しているチームが散見されました。ちなみに現在はTOPに舞い戻っています。
6/20:迷走続くSKT、Faker選手がついに交代
一方で悲しい選手交代もあります。春から苦しい試合を続けているSKT、ついに長年多くのファンの心を掴んできたFaker選手がmidを譲る展開に。
変わって登場したのはPirean選手です。数試合しか見れていませんが、ロームへの意識が高い印象。Pirean選手が入ってからBlank選手の動きが明らかに良くなったという声もあります。Faker選手と交代を繰り返しながら試しに使われているという感じでしたが、最近ではPirean選手がメインで出るようになりました。
しかし、SKTプレイオフさえ出場できず、今年のLCKsummerは相変わらずのGEN(旧SSG→旧KSV)、AFs、KZ、そして今シーズン力をつけてきているGRFがWCSの席を争う展開になっています。
個人的には今のSKTの迷走は、選手どうこうの問題というよりバンピックの問題、コーチの問題、チーム体制の問題という印象が強いです。
昨年のWCSの終わり頃から、SKTのバンピックは首を捻るようなものが続いています。最近の試合でも、変にジェイスにこだわったりトップにライズを出したりとよく分からないピックがありました。
更に今シーズンは、メタを十分に理解し柔軟なバンピックが求められるパッチが続いています。バンピックがボロボロのSKTがこの順位に落ち着くのは自然な事でしょう。選手もこの奇妙なバンピックに振り回されているのではないでしょうか。
6月下旬:Rekkles選手がベンチ入り、ADCにBwipo選手
パッチ8.11以降、生粋のADCが憂き目を見ている現状は皆さんご存知かと思います。個人的に一番ショックだったのはRekkles選手のベンチ入りです。変わって現在はBwipo選手がADCポジションにおり、Hylissang選手とともに活躍。Bwipo選手は好きなんですが複雑な心境でした。
上記動画はなぜベンチ入りになったのか、現在の心境をRekkles選手に聞いたインタビュー動画で、大きな反響を呼んでいました。日本語の翻訳記事もあり、私はこの記事で動画の存在を知りました(Rekklesが自らベンチ入りした理由を話したインタビュー - LYE の League of Legends メモ)。
7月上旬:RNGもUzi選手を交代、LPLも波乱
SummerSplitが始まってしばらく、Uzi選手・ADCにこだわり続けてきたRNGも、RiftRival以降Uzi選手に代わりAble選手・Zz1tai選手(※Zz1tai選手は対戦履歴を見たところTOPレーナーとしても起用されています)を起用する等して試行錯誤を繰り返し、3位に食らい付いています。一方、Mystic選手で試行錯誤をしているTeam WEは最下位に転落。
現在は 東リージョンはInvictus Gamingを中心に首位争い、西リージョンはRogue Warriorsが圧倒的差を付けて首位に君臨しています。
この地域に限った話ではありませんが、前シーズンは変なピックもやっていたような、バンピックが柔軟なチームが上位に上がってきている印象です。
LMSは今?FlashWolvesのADC:Betty選手は柔軟に対応
あと、個人的に気になって調べたのが最近のLMS、FlashWolvesのバンピック。MSIではBetty選手の活躍が印象的だったので、今どんな感じなのか軽く調べてみました。
アッシュ、エズリアル、ヴァルスなどのADCは勿論の事、モルデカイザー*1、スウェイン、ブラッドミア、タリヤまで使用しています。
実際に使用した試合もいくつかチェックしてみましたが、Betty選手にキルを集めるチームの動きが印象的でした。LMSは他の地域と違って相変わらずガリオのピック率が一定数あったりと、メタに合わせつつも独特な展開をしています。
8/4:Uzi選手復帰
私はRekkles選手の復帰後に知ったのですが、復帰戦でザヤを使ったと聞いてテンションが上がりました。チーム全体としてはまだまだ苦しんでいるようですが、今後に期待です。
8/11:Rekkles選手復帰
Rekkles選手もこんな盛大な演出と共に復帰。新アカリを携えたCaps選手、パイクで暴れまわるHylissang選手と共に戦っている姿が見られました。ただ、完全に復帰というわけではないようで・・・。今後も注視していきたいです。
面白かった試合
この夏は変な試合が沢山見れました。観戦メモに残っている中でも特に笑った試合を中心に紹介。今シーズンはEU中心に見ているので、EUの試合が中心です。
相手JGもハンマーでさようなら! S04 vs GIT
Rekkles選手の復帰試合の後、なんとなく流れで見たS04戦。この試合はとにかくポッピーの縦横無尽な動きと、セジュアニの強さが際立つ内容でした。
バロンスティールにやってきたグラガスもポッピーのRでさようなら!SO4は全然チェックしていなかった私ですが、過去の試合も見たくなるような面白い試合でした。オリアナのショックウェーブも要所で光ります。
新アカリが集団戦を引っ繰り返した!UOL vs G2
リメイクされたアカリが早速ピックされています。この試合ではPerkz選手がピック、試合を引っ繰り返すほどのキャリー力を見せて勝利しました。他にもEU LCSでは、FNCのCaps選手や、上で紹介したSO4のNukeduck選手が新アカリを使用しています。*2
この試合はジン・カミール・エイトロックス・戻ってきたグラガスと、現在注目されているチャンピオンがそろい踏みな点にも注目です。度重なるポーズにクロノブレイク(時間巻き戻し)も起こる中、集団戦1つ1つ見ごたえがあって燃える試合でした。
Midにウーコン!? FNC vs SPY
パッチ8.15になりADCが戻ってきて、なんだかんだバンピックが落ち着いたと思っていました。それは大きな間違いだったとこの試合で気付かされました。なんだよMIDウーコンって!
本当は新アカリを使っているCaps選手を紹介するつもりだったのですが、ハイライトをチェックしていて吹き出してしまったのでこちらを紹介。試合自体は長すぎてちょっとオススメできませんが、ハイライトだけでも是非。
Doinb選手のカサディン、killua選手のラカン OMG vs RW
これもわりと最近の試合。Rogue WarriorsといえばRiftRivalsでカーサスにスマイトを持たせたり、クレッドMIDで暴れたりしたのが記憶に新しいでしょうか(RW vs. KZ - Rift Rivals | LCK x LPL x LMS | Rogue Warriors vs. KING-ZONE DragonX (2018) - YouTube)。
バンピックだけだとDoinb選手のカサディンに注目が集まるところですが、この試合ではkillua選手のラカンも印象的でした。試合時間20分(動画時間31分頃)、トゥルーショットバラージでさくっとインファーナルドレイクを掠め取っていくsmlz選手のプレイも見所。試合展開自体は若干だれているものの、要所で面白いプレイが見れる試合です。
LJLで面白かった試合
ちょっと今季のLJLが面白かったので、面白かった試合をいくつか紹介します。
ジリアン+キンドレッドのシナジー? USG vs V3
シーズン前半は海外シーンを集中して見て、LJLが始まったらLJLを中心に見る、みたいな感じで観戦しているのですが、今季のLJLは面白かったです。
USG不調からの復活、下位チームの躍進。色々見所はありましたが、個人的に笑ってしまったのはこの試合。ジリアンとキンドレッドってRからして事故りそうなのに、なんでちゃんと機能してるんでしょう?殊にV3は最初、Wyvern選手がチームと噛み合っていない印象だったので、ここまでのチームワークが出せるようになったのは驚きでした。
この試合ではKeymaker選手のスウェイン、Guger選手のブリッツ、cogcog選手のムンドとどの選手も強烈なインパクトを残してくれました。
Yutapon選手のモルデカイザー DFM vs CGA
平然とモルデカイザーが試されるパッチ8.11の世界。この時期はちょっとしたカオスで、ADCのポテンシャルが試される試合も数多くありました。
中でも、元々TopでもあったDFM/Yutapon選手の豊富なピックは胸躍るものでした。ブラッドミアで巧みなダメージトレードを繰り広げ、カーサスでスマイトを持って絶妙な位置取りで戦い、モルデカイザーで魅せる。この試合も、細かいドラゴン操作と強気な位置取りに注目です。
あとこの週のLJLreviewが怒涛のモルデカイザー特集で笑いました。スタッフにモルデカイザーファンがいるそうで。気になる方はこちらもどうぞ。
もう夏のUSGは...とは言わせない! USG vs DFM
Split前半、ボコボコにされたUSG。あわや入れ替え戦かと言うほどの不調に陥りますが、追い討ちになるかと思われたDFM戦でまさかの勝利。そこからは怒涛の巻き返しで2位にまで上り詰めます。復活を見せ付けたこの試合では綺麗なスノーボールが印象的でした。
キャリーできる事を証明したGariaru選手、調子の上がったEnty選手、apaMEN選手もこのチャンピオンならばという光明が見えました。Tussle選手との連携も明らかに良くなっています。春のGango選手頼みだったUSGとは明らかに違います。メタの呷りを受けていたGango選手も最近カリスタで魅せてくれましたし、今後更にキャリーしてくれるでしょう。今からセミファイナルが楽しみです。
APケネンで勝つの!? PGM vs CGA
ADケネンでスプリットするんじゃないの?嘘やん、この試合負けたやん。と思っていたら、バロン周辺の戦いでするするっと入っていって、ものすごいダメージが入ってCGAが勝っていました。
この試合では、Alps選手/ジンの凄まじいダメージも印象的でした。ボットレーンに課題を抱えている印象の強いCGAですが、オリアナのプレイは良かったですし、スキル中心のチャンピオンならいけるのかもしれません。課題を乗り越えるCGAに期待したいです。
Roki選手のカシオペア、そして BC vs CGA
今年の下位チームは拮抗していました。1試合1試合どっちが勝つか分からない、こんなに面白いことはありません。苦しんでいたBCも、ここに来て色が見えてきたという印象でした。カシオペア、ジン、キャリー陣のスキルが光ります。今季はトラブル続きだったBC、今後のメンバーをはじめとして今後の展開が気になります。
同率5位となり入れ替え戦行きになったV3,CGAも面白かったですし、正直2部落ちなしで引き続きこの3チームを見ていきたいところなんですが、入れ替え戦どうなるんでしょうね。
なお、この日は解説のRevolさんが途中で体調を崩したため、Katsudionさん、Day1さん(コミケ帰り)がピンチヒッターとして解説席に座っています。実況解説いい連携するなあと思う一方、リアルタイムで観戦していた身としてはヒヤヒヤものでした。LJL関係者の皆さんには元気でいて欲しいものです。
感想まとめ
今季はカオスもあいまって特に面白い観戦でした。メタの変更でどうなるかなと思っていたプロシーンの試合も、だいぶ落ち着いてきたかなという印象。元の形に収まるのか、それとも次なるカオスに突入するのか、今後も注視していきたいところです。
今季は昨年に比べて明らかにバンピックを良く見るようになり、自分の変化も確認できるシーズンでした。これからWCSの枠を賭けた戦いが始まりますが、体調管理に気をつけつつ、じっくりプロシーンを見ていきたいですね。
(2018.08.17 脚注に動画へのリンクを追加。誤解を招きそうな部分があったので、文章を修正しました。)
(2018.08.23 読み返していて、一部の表現が不適切に感じたので訂正。)
*1:(※LMSのスタッツを確認したらモルデカイザー自体の勝率が7割(14回中10回勝利)ありました。18回バンされており、バン回数がアッシュと同じでした。8月4日閲覧)
*2:(08.17追記)プロが新アカリをプレイする様子はFLASHBACKでも紹介されています(FLASHBACK // Pros play Akali (2018 EU LCS Summer Split Week 8) - YouTube、動画時間1分20秒頃から)。