今回は「幻想世界」編。今までちょっと紹介しづらかった曲が中心。現実より少し遠いところ、幻想的な世界観/ファンタジー分多めの曲を紹介していきたいと思います。
※今回は歌が多めです。
- ピアノ一つで月の世界へ/ドビュッシー
- 先の読めない遊戯/ラヴェル
- アビスの向こうへ / ケビン・ペンキン
- 無機質音が夢の中へ誘う / Serph
- めくるめく電子の世界へ / Chouchou
- 女神の歌声を聴け / KOKIA
- 可愛い音がする曲がたくさん / 松本淳一
- 物語が交錯しあう / zektbach
- 重なる声と音 / 志方あきこ
- 毒だけじゃないアクのある魅力 / ALI PROJECT
- 民族的な音楽も手がける / 菅野よう子
- まとめ
ピアノ一つで月の世界へ/ドビュッシー
最初はこちら。幻想的な音楽ならドビュッシーはオススメです。特にオススメなのが「月の光」で、夜に降り注ぐ優しい光を連想させるような優しい一曲です。
他にも波のように寄せては返す「パコダ」、打ち付けるような「雨の庭」、優しい導入から広がるように展開する「夢想(夢)」など、オススメです。
先の読めない遊戯/ラヴェル
次のオススメはラヴェル「水の戯れ」。水の中を歩き回り、潜り、時には顔を出して水をはじき出して――そんな、水や水の中に広がる世界を全身で楽しむような一曲。先の読めない展開にドキドキします。
他にも「妖精の園」「夜への前奏曲」など、いかにもって曲が沢山あるので是非。ただ、演奏者によって違う曲になる点に注意です。
アビスの向こうへ / ケビン・ペンキン
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漫画原作のアニメ「メイドインアビス」のサウンドトラック。ケビン・ペンキンさんは日本の作品にいくらか楽曲提供をされているオーストラリアの作曲家のようです。
短めながら不思議な静けさが漂う曲が多く、白く霞んだ空の向こうに雄大な光景が見えるよう。冒険心を掻き立てられます。
特に好きなのがこの曲。響き渡る鐘の音と笛の音、胸を締め付けるような弦の音が響きます。一体どこの遺跡に迷い込んだのでしょうね。嗚呼、たまらん。
無機質音が夢の中へ誘う / Serph
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エレクトロニカならこんなサントラも。エレクトロニカの曲を沢山手がけている「Serph」のアルバム「Heartstrings」。エレクトロニカが大好きな方なら是非とも聴いてほしいサウンドトラックです。飛んだりはねたりする可愛らしいピコピコ音が特徴で、まるで夢の世界に迷い込んだようにワクワクします。
特に好きなのがこの曲。二転三転する展開がたまらない。
他のサウンドトラックですが音遊びが楽しい「accidental tourist」収録の「dazzle」や、「El Esperanka」収録の「Crystalize」もオススメです。
めくるめく電子の世界へ / Chouchou
紹介するのは二度目になりますが、2017年に発表された曲がツボでして。多くのエレクトロニカを手がけるグループ「Chouchou」も、幻想的な曲が多くオススメ。
特に今回オススメしたいのが台詞主体という珍しい一曲「1619kHz」。ボイスをサンプリングした曲が好きな人はぜひ一度聴いてみてください。(Chouchou - 1619kHz - YouTube)
Chouchouがこういう変化球を出したのはすごく珍しいのですが、できると分かると次を期待してしまいますね・・・。
女神の歌声を聴け / KOKIA
「テイルズオブイノセンス」のオープニング曲を手がけた事もあるKOKIAさん。その女神のような歌声に惚れ込んだ方は数多くいることでしょう。
サウンドトラック「The Voice」にはそのオープニング曲「Follow the Nightingale」も収録されていますが、私が一番好きなのはこの曲「il mare dei suoni」。張り詰めたような悲しい歌声が突き刺さります。
繰り返される打音とフレーズが心地良い「song of pocchong ~雫の唄」も幻想的でオススメ。他にはアニメ「Phantom~Requiem for the Phantom~」のオープニングテーマ「KARMA」や、銀色の髪のアギトのオープニングテーマ「調和 oto~with reflection~」など、悲しげな曲が中心です。
あ、そうそう。最近ではアニメ「魔法使いの嫁」でこんな曲も歌っていました。オススメです。
可愛い音がする曲がたくさん / 松本淳一
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漫画原作のアニメ「魔法使いの嫁」サウンドトラック。曲を手がけるのは松本淳一さん。全然知らなかったんですが良い曲が多いです。笛主体の可愛い曲が多く、ちらちらした鉄琴の音もとても可愛い。
でも個人的に一番好きなのはこの曲。チェンバロでしょうかね?キュンキュンします。一つ難点を挙げるなら、1曲1曲が短いので割高に感じる事でしょうか。番組用に短くまとめた感じの良曲が多いです。でもこの音質なら全然かまわん。
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あまりにキュンキュンきたので同じ作曲家さんのサウンドトラックを探したら、こんな胸キュンなタイトルのサウンドトラックも発見しました。廃墟の休日!?そんな番組あったの!
こういう「カランコロン」した音は彼の得意分野らしく、とっても癒されますし色々と捗ります。オススメです。
物語が交錯しあう / zektbach
基本的には「西洋風ファンタジー」と思うzektbachの曲達ですが、途中で色々混ざってきて物凄く分類に困る。でもファンタジー系ならここは絶対押さえたい!という事で紹介です。
一番好きなのはこの曲「L'avide」。ちょっとオープニング曲っぽい雰囲気もあり、物語の幕開けにぴったりの1曲。他にもzektbachは全体的に「物語」を感じさせる展開に転調、流れるようなメロディが心地良い曲が多いです。
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iTunesStoreで購入できるまとまったものは「The Epic of Zektbach -Ristaccia-」だけですが、人気曲は一通り入っていますし、どれもクオリティが高くてオススメ。この手のサウンドトラックが1500円というのも珍しいですね。
正直ファンタジー好きの方には全部オススメしたいくらいですが、今回の主旨に沿う曲でオススメはこの「ZETA 素数の世界と超越者」。浮遊感がたまりません。
重なる声と音 / 志方あきこ
志方あきこさんの曲は海外の民俗文化の影響を受けたって感じの曲がすごく多いのですが、テクノ要素の加わった「アルトネリコ」や上記の「zektbach」にも参加していますし、自身でも必ずしも民族音楽に分類しきれない曲を手がけていらっしゃいます。
ちょっとiTunes storeにないのが残念なサウンドトラック「caTra」は、和音を重視した機械的な・実験作のような曲が多く、個人的には意外でした。特にゾクっとしたのは「試想 / 想起 / 起動」。
浮遊感のある音に、刻むような旋律がたまらない。雲の上を探検するかのような、爽やかなファンタジー曲です。
他には アニメ「いつか天魔の黒ウサギ」のエンディングテーマ「空蝉」。天野月子さんの作詞も相まって、切なさが滲み出ています。
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「Harmonia」収録「レプリカーレ」なんかも悲しげでオススメ。
他にも民族的な楽曲なら大体どのサウンドトラックにも収録されていますが、サウンドトラック「廃墟と楽園」の「イゥリプカ」は絶品。でもここまで行くと少し現実よりかも?東洋の物語っぽい雰囲気がたまりません。
他にも「古」なんか鬱蒼とした森が目の裏に浮かんできます。以前も紹介したサウンドトラックですが、何度紹介してもし足りないくらいとても良い。
あと私が好きなのは「Navigatoria」収録の「La Corolle」。現代ポップの影響を受けたような一曲で、大人っぽさと幻想的な雰囲気を兼ね備えた良曲です。
毒だけじゃないアクのある魅力 / ALI PROJECT
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エロくて毒のある曲が際立つ「ALI PROJECT」ですが、幻想的で美しい曲もときどき手がけています。「Psychedelic Insanity」収録の「纏われし者ら」はまさにそんな一例。韻を踏んだ歌詞が耳心地良くてたまらない。
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いつも通りの毒っ気のある曲の中でも、Poison収録の「処女懐胎、あるいは白骨塔より少女達は飛翔する」なんか世界観が幻想的で美しい。創作が捗ります。
ただ、これらが気に入ったからといってあれこれ手を出すのはオススメしません。半音を使いすぎた曲もあるので、曲ごとに人を選びます。テーマCD1枚買うときは必ず試聴を。いっそ博打をうつくらいの心持ちでいた方がいいでしょう。
mp3購入が可能な曲の中では、この曲「輪廻闇妖散華」を個人的にオススメ。和な音作りに妖しい歌詞、最高です。
民族的な音楽も手がける / 菅野よう子
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爽やかな定番曲が本当に上手い菅野よう子さん。そのあまりの安定感に「いつも通り過ぎてつまらん」 と思うことがあるくらいです(笑)。有名なのは「カウボーイビバップ」「マクロスF」「攻殻機動隊」のBGMでしょうか。
そんな中、アニメ「地球少女アルジュナ」のサウンドトラックはちょっと異質です。ヒンドゥー教の聖典をベースにした物語を彩る曲は、現実離れした幻想的な曲ばかり。
青々とした森の中を駆け巡るような壮大な一曲「地球共鳴」から、暗闇の中をおぼつかず歩く「Time to die」。
この辺に行くともはや訳が分からない。なんとも言えない悪寒が背中をズズズっと駆け上がってきます。こういう曲を作るのが菅野さんは上手い。
で、アクエリオンでも聴いたような造語曲「Cloe」が流れてきて、「あ、いつもの菅野さんだった」と思う訳です。原始的な音楽を求めるなら、アルジュナのサウンドトラックは本当にオススメです。
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またマイナーどころですが、個人的にはアニメ「ウルフズレイン」のサウンドトラックもオススメ。全体的には「ビバップ」っぽいスタイリッシュな曲が多めですが、そんな中でも幻想的で美しい曲がいくらかあります。
月の昇る静かな夜に遠吠えが聞こえてきそうな「sleeping wolves」。穏やかなピアノに柔らかな音が交じり合う「ラクエン」。他にも火を囲う部族を思わせる「visions of a flame」など。もし犬や狼が好きなら、アニメの方もオススメです。
まとめ
いかがだったでしょうか。実を言うと今回書きすぎて大分内容を削りました。それでも紹介量としては多すぎるくらい。こういうのは掘り起こし始めると止まりませんね。もっとすっきりまとめられるようにしたいものです。