今回は「近未来・SF編」。ちょっと未来の世界観や、SFにぴったりの音楽を紹介していきます。エレクトロニカ系の音楽が好きなのでいつになく趣味に走ったチョイスでお送りしますが、どうぞお付き合いください!
果て無き電子の世界へ
最初はこちら。2人組の音楽ユニット「Chouchou」の紹介です。エレクトロニカやアンビエントを中心に多くの歌曲を手がけています。私はニコニコ動画で公開されているPVでこのユニットの存在を知り、「XX」でファンになりました。
しっとりとした曲が中心で、その中でも「XX」「TRICKER」のようなシリアスな曲もあれば「kavka」「Niflheimr」のようなひたすら悲しい曲もあります。かと思えば唐突に「neverland」のようなスタイリッシュで可愛い曲を出してきたりと・・・底が知れません。広大な世界を感じるなら「Cloud 9」「harunire」もオススメ。
そのほかピアノの音色が印象的な曲も多く、優しい気持ちで創作を進めたい時は「r.i.p.」のような曲が良いお供になってくれます。最近では暖かいピアノ中心の歌が多く公開されているので、癒されたい人にもオススメです。丁寧な音作りでじっくり浸らせてくれます。SF的な世界観のほか、心理描写に力を入れたい人にも。
クールなSFの世界を表現
EX MACHINA ORIGINAL SOUNDTRACK(DVD付)
- アーティスト: サントラ,HASYMO,LINA OHTA,WAGDUG FUTURISTIC UNITY,m-flo loves Alex(CLAZZIQUAI PROJECT)
- 出版社/メーカー: commmons
- 発売日: 2007/10/17
- メディア: CD
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「EX-boy」がクソかっけえ!・・・当初はただそれだけの理由で購入しました。2007年公開のCGアニメ映画「EX MACHINA」のオリジナルサウンドトラックです。
「EX-boy」のほか、クールな近未来のBGMが勢ぞろい。リズムの心地良い曲が主で、「THE WORLD」「METHOD」のようなタイプのシリアス曲はなかなか見つけられないのですごく助かっています。他には「LOST SECOND」「Love Me After 12AM」など声有りのBGMがあり、とことんBGMに特化した曲と音楽が前面に出てくるBGMが混在するサウンドトラックです。収録曲は少なめですが、それでも十分のボリュームがあります。オススメです。
技巧を持て余した神々の遊び クールな近未来を演出するなら
- アーティスト: Liquid Tension Experiment
- 出版社/メーカー: Magna Carta
- 発売日: 1998/03/10
- メディア: CD
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Vol. 2 - Liquid Tension Experiment
- アーティスト: Liquid Tension Experiment
- 出版社/メーカー: Magna Carta
- 発売日: 1999/06/15
- メディア: CD
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プログレッシブ・メタルの曲を中心に発表しているアメリカのバンド「Liquid Tension Experiment」のアルバム。最初はvol.2の「Acid Rain」目的で1曲のみの購入でした。しかし、随分あとになって他の曲を試聴してみたら「914」かっこよすぎない?「Osmosis」好みなんだけど・・・と試聴が止まらず。結局、最近になってVol.2のアルバムを買ってしまいました。
インスト曲オンリーのアルバムで、聴けば聴くほど味が出る楽曲ばかり。特にVol.2はエレキ同士の掛け合いが熱い「Acid Rain」、音の構成が楽しい「914」、穏やかな序盤の演奏から熱く展開していく「Biaxident」など、どれも技巧に富んでいて飽きることがありません。
近未来っぽい曲としてはvol.2の「914」がよりそれっぽくてオススメですが、この手の音が好きな方にはぜひアルバムごとの購入をオススメします。楽しい音の世界が脳みそを刺激してくれること間違いありません。
複雑広大なネットワークを旅する
漫画原作のアニメ「攻殻機動隊」シリーズのサウンドトラック第三弾より「トルキア」。楽曲を手がけるのは「カウボーイビバップ」などをはじめとしてアニメ作品で多くの楽曲や歌を手がけている菅野よう子さん。
バトルあり・駆け引きありのクールな雰囲気が魅力のこの作品。他にもこの曲が収録されているサウンドトラックでは、作品の雰囲気にぴったりなカッコイイ曲が揃っています。「Access All Areas」「Break Through」などの戦闘シーン向きの曲はもちろん、「Know Your Enemy」などの考察シーンに向いた曲も。潜入捜査や銃撃戦など、SFアクションを考える時にはうってつけの曲ばかりです。
その中で特に「トルキア」を紹介するのは、私が「攻殻機動隊」を知るきっかけになったのがこの曲だったからです。
どこで聴いたかはもう忘れましたが、最初の印象は私好みの民族的な雰囲気と電子音楽らしさが入り混じった壮大な曲でした。BGM用に作られた曲というよりもテーマソングという感じで、これがBGMというのが正直信じられなかったんです。「作中でどんな使われ方をしているのだろう?」――そんな興味関心からアニメを見始めました。その使われ方は予想以上にドラマティックで、原始的な歌声とは対照的な鉄塗れの景色の中、登場人物達の戦い・駆け引きが光り、台詞一つ一つが良く響く・・・。作品の雰囲気を存分に盛りたてる名BGMっぷりでした。
副作用としては、この曲を聴いた後に同サウンドトラックの曲を聴き漁ると意外と無難にまとまっていてガッカリしてしまう事でしょうか(笑)。作品を象徴する名曲だと思います。複雑な世界観設定を考えたい時にオススメです。
叡智ある機体をここに SF世界で過去を想う
どんどん行きましょう!お次はこちら、横スクロールシューティングゲーム「Gダライアス」のオリジナルサウンドトラックです。楽曲を手がけるのはタイトーのサウンドチーム「ZUNTATA」。この「Gダライアス」では小倉久佳さんが作曲を担当し、独自の音が作り上げる世界観が魅力のサウンドトラックです。
特にこの「KIMERAⅡ」は私一推しの曲です。最初、水中の音から始まるこの楽曲。無機質だった機械の稼動音が、音楽が展開されるうち次第に生き物の鳴き声のように聴こえてきて、何故か泣いてしまったのを良く覚えています。その後に続く「Adam」も素晴らしい楽曲です。
他にもこのサウンドトラックの楽曲は膨大なサンプリングを経て生まれたであろう楽曲が多数あり、その手の音のごった煮が大好きな人にはたまらないサウンドトラックとなっています。シンプルな曲ですが、個人的には「Dada」も気に入っています。いや未プレイなんですけど本当にこれ、シューティングゲームの曲なんですよね・・・?
「KIMERAⅡ」「Adam」はその中でも音数が気にならない部類の曲なので、サウンドトラックごとの購入を考える場合は他の曲も試聴して、自分の好みと合っているか確認してみるのをオススメします。もしどの曲も気に入ったなら、このサウンドトラックの曲はSFチックな古代文明に思いを馳せるのにうってつけです。
他にもiTunes storeでは「ダライアス」シリーズの楽曲をはじめとして、ZUNTATAの手がけたゲーム音楽が多くダウンロード可能です。上記の「Gダライアス」の楽曲群に惚れ込んだなら、ダライアスバーストの「Hello 31337」もオススメです。
ダライアスとはちょっと毛色が違いますが、最近では「ピリオドゼロ」(作曲は土屋昇平さん)のオリジナルサウンドトラックが発売されました。こちらも近未来向きの曲を探している方にアツく推したい楽曲群となっています。テクノ系の曲に飢えている方は、まずは「ZUNTATA」の曲を漁ってみてはいかがでしょうか?
静かで不思議な音の世界へ ファンタジックなエレクトロニカ
アクが強い曲が続いたのでそろそろシンプルな曲でも。次はこちら。シンガーソングライター・新居昭乃さんの紹介です。
私にとっては「東京アンダーグラウンド」のED曲や「ゼーガペイン」のOP曲で強く印象に残っている彼女の楽曲。最近ふと「覚醒都市」が欲しくなってamazonを覗いてみたところ、かなり多くの曲がMP3購入可能でびっくりしました。
この2曲に限らず、落ち着いた、すこし不思議な感じのするエレクトロニカが多数あります。不思議な世界観を空想したい人に。癒されたい人にもオススメです。
自由多彩なスペースオペラ 古くて新しいSF世界
TVアニメーション「スペース☆ダンディ」O.S.T.1 ベストヒット BBP
- アーティスト: VARIOUS
- 出版社/メーカー: フライングドッグ
- 発売日: 2014/03/26
- メディア: CD
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最後はこちら。2014年のアニメ作品「スペース☆ダンディ」のオリジナルサウンドトラック。なんかもうジャケットの時点でバレてそうなので白状しますが、作品自体がぶっ飛んでるのでお馬鹿な曲がいくつかあります。しかし普通にSF向きの曲も多いので、今回紹介することにしました。
毎話を別々のスタッフが担当し、全く方向性の違う話を展開。あっちゃこっちゃ好き勝手に話を展開した癖に、最終的に何食わぬ顔で綺麗にSFとして終わるという・・・私に強烈なインパクトを与えたこの作品。
基本的に1話完結型・毎度方向性の違うエピソードを描くので作曲者も多く、1つの作品のサウンドトラックだと思って購入すると大変な目に遭います。
基本的には1980年代くらいの大らかなスペースオペラのノリで、「Star Future」「Cosmic Adventure」をはじめとしてあえて古臭いノリを意識した明るい曲が多数。しかしそんな感じで構えていると「Hey Wha」みたいな可愛い曲が突然流れてきて不意打ちを食らいます。「Fatty but oh so Goody」「コネクト」「アクションマン」と普通にカッコイイ曲もあり、このサウンドトラックの音楽は多彩です。
SFでもちょっとギャグっぽいノリが欲しい人や、刺激が欲しい人に。OP・ED曲のTVサイズバージョン以外は両サウンドトラックとも1曲ごとの購入が可能なので、試聴してみてビビッときた曲だけ買ってみるのも良いでしょう。オススメです。
まとめ
「近未来・SF編」いかがだったでしょうか。今回はSF的なメカメカしいシーンや複雑な世界観が思い起こされるような曲を中心に紹介してみました。私自身はインディーズ音楽を中心にテクノ系の曲を聴いていたこともあって「これぞ!」というメジャーな曲はあまり知らないのですが、少しでも皆さんの空想の手助けになれば幸いです。
世界観の括りで曲を紹介するばかりなのもなんなので、そろそろ違う切り口での曲紹介もできたらと思っています。ではでは!