ウツギの日々趣味日記

ゲーム・アニメ・音楽・読書など。趣味のことをつらつらと。

今日の読書 #4 「物語 ベルギーの歴史・ヨーロッパの十字路」(中央公論新社) 多様な言語の狭間で

読書の秋も深まり冬が近づいてきたこの頃。皆さんはいかがお過ごしでしょうか。私はというと、このコーナーの為に本棚を漁るようになってから意外と感想を書きたい本が沢山眠っていた事に気付いて、読書計画に頭を捻る日々です。

今日の読書は「物語 ベルギーの歴史・ヨーロッパの十字路」。『物語 ○○の歴史』シリーズのベルギー編です。今回は本屋で一目惚れして購入したこの本を紹介していきたいと思います。

 

さて、皆さんはベルギーというと何が思い浮かぶでしょうか。私の場合はチョコレートが大好きなので、ベルギーというとチョコレートというイメージがあるのですが、いざ「どんな国なの?」と聞かれると全然答えられません。「なんかヨーロッパの左上の方にある国だよね?」くらいの、そんな曖昧なイメージでした。

本書はそんな、名前だけは分かるけどよく知らないベルギーについて、その独立から現代に至るまで追ってくれる、ベルギー史の本です。ヨーロッパという地域の中にあって、フランス・ドイツ・オランダに挟まれ引っ掻き回されながら歩んできた、奮闘の歴史が描かれます。ベルギーに限らずどこに行っても複雑なヨーロッパの歴史ですが、本書は「公用語問題」と「国王問題」を主軸にしており、とてもすっきり読む事ができました。

日本では『日本語』が公用語であって、全国各地様々な方言に戸惑う事はあれど、そこまで日本人同士でコミュニケーションに不便することはありません。私自身「国に言語は1つ」みたいな先入観があって、ベルギーの言語を巡る問題は特に興味深く読ませていただきました。多言語国家に馴染みの薄い私達にとって、その理解を助けてくれる貴重な1冊である、と思います。

 「ヨーロッパの十字路」の副題に違わず、ベルギーの歴史を通して様々な国の思惑を垣間見る事もできます。ヨーロッパ史を理解するための本としてもおすすめできる一冊です。

物語 ベルギーの歴史 - ヨーロッパの十字路 (中公新書)